アイデンティティー

2001年11月24日(土)

先生はなんでもう写真を撮らないの?


………
無言の彼。


ねえ、なんで?


それはね、ファインダーを通すと真実が見えてしまうから。

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画家は筆を持ち、キャンバスに絵を描く。

例えば、同じ風景を描いた二人の画家がいても、
描くものは全く違う絵となる。

風景のドコに視点を置くか、
手に取る絵の具の色も全て異なる。

どんな対象物でも、
どんな絵が出来上がっても、
それは描いた人間の心を反映する。

それは、自分でも見えない、知らない心の奥底を
映し出してしまう。

画家は筆を濾過器とし、
自らをキャンバスの上に表現する。



ろうそくのような暖かい色をした照明。

手作り独特のいびつな形をしたテーブル。

アンティーク調のピアノ。

誇りを感じさせるドラム。

威厳のあるベース。
(??弦は4本だったけど…チェロみたいな…)



波のような音が聴こえる。

静かな、穏やかな音。

ドラムの醸し出す音だった。

ジャズの善し悪しなんて解らないけれど、
心地良い空間だった。
目を閉じれば、そのまま眠りに落ちそうなほどの。
優しい音だった。

ゲストがいるんだ。
そう言った。
もしかしたら、ツイてるのかもしれない。
現れたのは、
でっかいサックス。
アルトサックスかな。

音は、揺るがすんだ。
何もかも。
机も、椅子も
人の心さえも。


感じるんだ。
音と、響きを通して。

その人の心にある大事な

何か

を。





















カラオケは好きじゃない。
歌は絶対歌わない。
聞きに徹するタイプだ。
きっと、アタシの心みたく
音程さえも不安定なんだろうな。

楽器は無理だった。
ギターを買ったはいいけれど、
悲しくなってやめたんだ。
彼が弾いてくれる姿のほうが好きなんだ。

絵は描けない。
捉えたもの紡ぎあげることができない。
きっと、
境界線がなんのか解らないんだ。














なにかを通すと、
心のあるままが表れてしまうんだ。













アタシは、歌えない。






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桜木 舞 [MAIL]