橘的徒然日記
日々の出来事を徒然なるままに・・・
ってか、思ったこと

2005年11月16日(水) だらだら坂をのぼるような話4

橘はですね、
大変教師運が良いと思います。

小・中・高とかなり担任教師には恵まれました
色々な意味で

でもね
幼稚園の時にトラウマが出来まして
ぼくは教師という職業にある人を、心底は信用も尊敬もできないのです


別に幼稚園の時に
教師から性的な悪戯をされたとか
虐待を受けた、というのではありません。


さて、
小さい頃橘は本気で大きくなったら『鯨』になりたいと思っていました

何にでも自由に成長できると信じていました

「るぅちゃんは大きくなったら何になりたいの?」と
母は優しい笑顔で聞いてくれたことがあります

その時ぼくは迷いもせずに『鯨!』と即答したそうです

今考えればただのバカです
なれるわけないですから

でもね、小さい頃は本気でなれると信じてたんですよ

母もね、夢見る小さな子供の心を気遣って
「鯨さんになれるといいね」と
笑ってぼくを撫でてくれました

本当に、母には『夢を見る』という
人間として大事な心を育ててもらったと思います

ですが
それは起きました

幼稚園で『将来の夢』というお題で
絵を描いたのです

野球選手や看護婦さん、お菓子屋さんやおもちゃ屋さん

ある意味現実的と言える夢を同級生が描くなか
ぼくと、あと二人の同級生は

『鯨』『ライオン』『鳥』

当時の担任教師(というのか?)はぼく達が描いた絵をみて失笑しました

『人間はね、大きくなっても鯨やライオンにはなれないのよ?』

ぼくはソレまで大きく大きく成長すれば
いつか鯨になれるのだと信じていました

信じていたことを真っ向から否定され
夢を突き崩された瞬間です

もう名前も覚えていない教師ですが

考えてみると彼女は幼稚園の教諭となるべき人では
なかったように思います

クリスマス会の最中、サンタの格好をして現われた園長先生に
園長先生と分かっていながらも
『サンタさんだ』と喜んで飛びつく子供達の後ろから

「園長先生、お疲れ様です」と失笑しながら声をかけ

七夕会当日、雨が降れば
『お仕置きなのに年に一回でも会えるなんてあり得ないわよね』と
呟いていたのをぼくは覚えています


全く夢がない人でした


そんな人が夢を心に大きく育っていくべき子供を預かる
幼稚園の教諭をしていていいのだろうかと

今さらながらに思い出し、腹立たしい気持ちです

ぼくは
本当に小・中・高とは教師に恵まれていたと思います

けれど
真っ向から夢を否定されたあの、幼稚園時代

ぼくの心には大きなトラウマが刻まれたように思います

どこかで
『教師は絶対に分かってくれない』

そんな風に思い
壁を作って生活していたのでしょう

名物教師の思い出はあっても
教師との思い出はわずかしかありません

それでもぼくは
夢を見ることを忘れずに成長し

未だどこかで『鯨になれる』と信じているのです

目標に向かうことを教えてくれた教師達(幼稚園のぞく)や
夢を見ることの大切さを
幼かったぼくに教えてくれた母のおかげかもしれません

何故『鯨』になりたいのか
それはぼく自身にも謎ですが
大洋を旅する謎の多い生物になりたいのかも知れません
ただ、あの大きな姿に憧れているだけなのかも知れません

例えその理由が謎であったとしても
夢を見ることは大切だと思う

という、未だ『大人』になりきれない
矮小な人間の過去話でした


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