加藤のメモ的日記
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2023年04月14日(金) ベラルーシに戦術核

ロシア大統領が配備を表明

ロシアのプーチン大統領は3月25日、国営テレビで自国の戦術核兵器を隣国ベラルーシに配備する方針を表明した。ロシアは昨年(2022年)2月24日のウクライナ侵略開始後、核使用の威嚇を繰り返し、同国の原発の占領や砲撃をしてきた。今回の表明でロシアの核脅迫は新たな危険な段階を迎えた。

1991年末にソ連から独立した時点で、ベラルーシにはソ連のSS25大陸間弾道ミサイル(ICBM)81基や戦術核兵器が配備されていた。ベラルーシは1993年に非核兵器国として核不拡散条約(NPT)に加盟。1994年採択の憲法は18条で「自国領を非核地帯とし中立国を目指す」と宣言し、核兵器は1996年までロシアに移送された。

しかしベラルーシはウクライナ侵略開始3日後の昨年2月27日の「国民投票」で「核兵器とロシア軍を恒久的に受け入れる」ことを承認した。憲法の非核条項は削除された。プーチン氏は25日、ロシアが戦術核兵器の運搬が可能な軍用機10機をベラルーシに駐留させており、イスカンデル短距離砲弾ミサイルもすでに移送していると述べた。戦術核兵器の配備時期は明言していない。 

ベラルーシは、ポーランド、リトアニア、ラトビアの北大西洋条約機構(NATO)加盟3国と国境を接しており、そこへの核配備は欧州の軍事緊張をさらに増大させることになる。ロシアは飛び地であるカリーニングラード州に核兵器搭載可能ミサイルを配備しているとの見方もある。

ベラルーシの反体制指導者スペトラーナ・チハノフスカヤ氏は26日、「ロシアは占領軍のように行動し、核配備によりベラルーシを報復攻撃の潜在的標的にしている」と批判した。ロシアと同国に追従するルカシェンコ政権への制裁を強化し、配備中止を求めるよう国際社会に要請した。


『赤旗』4.2


加藤  |MAIL