2008年12月11日(木) |
K-20 怪人二十面相・伝 |
試写会に行って来ました。 あれです、金城武主演の二十面相。第二次世界大戦が起こらなかったら…っていうのを前提に、その後の格差社会の進んだ日本が舞台。 名探偵明智小五郎と、その婚約者の羽柴財閥の跡取り娘ようこ。二人の結納の義を写真に撮ってきてくれと頼まれたサーカス団員の平吉が二十面相と間違えて逮捕されたというところから始まりますが。
これがまた、冒頭の町並みがちゃちくてちゃちくて、素敵なんですよ!(笑)模型です住宅模型。その上をラジコンヘリが飛んでる!どうしようなにこのちゃちさ! と喜びましたけれどね!
模型やら住宅やら、ところどころほったてな感じが昭和な雰囲気です。 しかも上海ロケなの丸わかりなので、どこかで見たぞこの光景、な映像満載です。私は真っ先にスパイ・ゾルゲを思い出したんですが、新しいところで言えば京極夏彦の妖怪シリーズ、魍魎のハコとかウブメとかも同じような時代の話なのでやっぱりあれも上海ロケ。同じ場所で撮影したんですか!と聞いてみたいところ。
その真ん中に立っているのは東京タワーですね〜さすが三丁目の夕日の監督作品(それは余り関係ないだろ)
残念なのは、私の中の明智さんのイメージが仲村トオルではないこと。や。仲村トオル自体は好きなんですよ。あぶない刑事の頃がいちばん好きですけど。きっと陣内孝則版明智のテレビの二時間ドラマの見すぎです。
金城、今回はからだ張りましたって感じですね。レッドクリフでアクションのない人なので、こっちで発散したってことでいいんじゃないですか。 高いところを走って走って走り捲ってました。あれ、高所恐怖症の人だとできませんよね…映像を見てるだけだっていうのに私には恐怖でした。 それと個人的に、踏みにじられている平吉が素晴らしかったですね。何がって、踏みつけている人の足が。踏みつけ方がまさに看守っぽくて良い。遠慮のない踏み方でしたエキストラさんと讃えたいところです。
そういえば、投げ捨てられた鹿賀丈史の顔をわざわざ映してくれる演出もなかなか(笑)そこ映すんだ、みたいな。
松たか子扮する羽柴のお嬢様が、非常に好きなタイプのお嬢様でした。 一本筋の通った女性というか、胆が据わってて頭の回るお嬢様。そしてお強い。さすが暴漢対策もばっちり☆ 矢張りお嬢様は力持ちでないと(え)
結構笑いどころが多い話でした。 金城もお茶目な役どころで、コメディの好きな彼は楽しんで演ってたんじゃないかと思うんですが。
特に、二十面相として演じながら逃げ去っていくときの、 「平吉様ー!笑ってー!」 「はーっはっはっはっは」 ていう場面は大爆笑だったんです。 そこ重要なんだ(笑)CFでも笑い声が聞こえる。
それから、案外出番の多い国村隼さん。おいしい役どころ。
松重豊さんと嶋田久作のお二方のあまりにちょい役っぷりも見所です。気付いてあげてくださいね。 羽柴会長役の大滝秀治に関しては、あまりにらしすぎて笑いましたが。
基本的に、最後にヒロインと主人公がくっついて終わるっていうパターンが好きではないんですが、今回だけはくっついてくれてよかったのになと珍しい感想を持ちました。 表の羽柴財閥会長ようこと、夜を牛耳る(予定の)怪人二十面相な平吉の二人がこっそり結婚とかでもしておけば世界は変えやすいだろうにと思うんですよ。表から変えていこうとするお嬢様はわかりやすいんですが、平吉はいったい裏世界側から何を変えようというのか。結局ねずみ小僧なんだろうかそれもどうよ、と。
本当の怪人二十面相は一体誰なのか、それが問題の筈なのにとてもわかりやすい解答でして。クライマックス部分は結構どうでもいいかなあ。 もしや小林くんなんじゃあって疑ってみたりもしましたけどね。体格的に無理な話だっての。
結論。 ゲンジさんは一体どうやって崩壊する羽柴ビルから逃げ出したんだろう。
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