同僚が「ゆえってさ、バンド詳しいんだよね」と聞いてきた。
「詳しくは無い」と答えると
「じゃあ、知らないかな? この前大事故起こして新聞に載ったの」
ああ、知ってる。知ってるよ。
「あのね、あたしの従兄弟なんだ」
え?
「状況聞いてさ、どうするのかと思ったよ」
彼女は看護学校に通っていた。 親御さんも、看護師をされている。 そのせいか、病名と状況でどういう状況なのかが 判ってしまう子だった。
「お見舞い行ったけどさ…辛いね」
今迄に、バンドマンの事故なんて沢山あった。
無くなった方達も沢山居る。
それは、彼にだってあてはまる。
今、もし、仮に あたしか彼か、どちらかが息絶えたとして あたしは後悔しないだろうか。
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