嗚呼!米国駐在員。
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2006年05月22日(月) |
アメ車、日本車の区別って何だ? |
ここアメリカで国産車といえば、フォードやChevrolet(GM)が真っ先に思い浮かび、一般論としてトヨタや日産などの日本車は輸入車と見なされる事が多い。 保守的な特に北米中西部などの年配者はキャディラックやBuickを好む人も多い。彼らは、昔ながらの「Buy American」の意識が根強く、アメリカの競合である日本車などとんでもない、という購買層。こうしたアメリカ人は、依然として存在している。
ところが最近の新聞や雑誌では、「そもそも何がアメ車(国産車)なんだろうか?」という特集をよく見つける。
昨年3700万台もアメリカで生産されたトヨタ、日産などの日本車メーカー。 GM/FORDが大リストラしているのに対して、勢いある日本車メーカーは、アメリカで設備投資や新工場立ち上げを繰り返しており雇用を次々と創出している。特にトヨタは昨年アメリカで得た利益($2.4Bil)と同額を、北米での設備投資に当てている。
一方、BIG3は世界企業であるため、アメリカで得た利益も海外拠点への投資に使ってしまう。特にクライスラーは親会社(ダイムラークライスラー)がドイツなので、アメリカには残らない。こうしてみると、どちらがアメリカ経済に貢献しているかは明白であり、昨今の日本車大ブームも、単なる燃費以上にアメリカ人から認知されたと見てもいいだろう。
ディーラーで新車を買いに行くと、助手席の窓のところに「Price Stickers」、いわゆる定価表が貼ってあるのだが、そこには部品の国内調達比率を記載するよう義務付けられている。これを見ると、その車の部品がだいたいどの国でどれだけ生産されたのかが分かる。何となく、日本での比率が高いと安心感を感じるのは日本人だけだろうか。
車というのは、全2〜3万個近くのパーツで成り立っているのだが、Federal labeling Systemによると、アメリカ車の基準はその75%がアメリカ(カナダ含)製であること、と定義している。
一体、街で見かける車は、実際はどこの国の部品が多く使われているのだろうか?アメリカで売られている車の、北米部品調達比率の実態はこのようになっている。75%以上はアメ車、それ以下は外車(アメリカから見て)とみなすとすれば・・・
TOYOTA カムリ 75% アメ車 CHRYSLER 300 72% 外車 CHEVY TAHOE 67% 外車 HONDA Risgeline 75% アメ車 FORD Mustang 65% 外車
なんと、アメリカを代表するスポーツカー、Mustangまでがアメリカ車と見なされていないのには複雑な気分だ。
一方で、日本車と思われたカムリやホンダのリッジラインは、立派にアメ車と承認されている。
綿密な計算で着々とアメリカに浸透し、名実ともに立派なアメリカ企業となってしまったトヨタや日産。日本人としては誇りなのだが、アメリカを代表する大企業を窮地に追い込んだその戦略や、恐るべしである。
Kyosuke
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