コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2004年11月12日(金) 非伝統的投資スタイルについて その2)


こんにちは、カン・チュンド です。

先日は(最後の方で)内容がむずかしくなってしまいましたね。

(空売り や 買い建て などの言葉を連発してしまいました → 反省)

(ゼロ地点に戻って)

要するに今までと同じタイプのリターンを追及するとは、
株式なり債券なりを保有して、

そのものの「価格が上がること」を期待する手法です。

これは 買い → ロング運用 → 買い建て です。

(私たちが従来から 投資 と呼ぶやり方ですね・・)

しかし(奇妙に聞こえるかもしれませんが)
売り から入ることでリターンを追及する方法もあるのです。

それが 売り建て → ショート運用 です。

例えば、1株 500円 で A会社 の株式 を借りてきて、
6ヵ月後に 売る約束 をするとします。

(これを 売り建てる といいます)

6ヶ月の間に A会社の株価が 500円 より安くなっていけば、
(例えば 380円 になっていれば)

その時点で 1株380円の 株式(現物)を購入し、
はじめに約束していた500円で売るのです。

→ 1株当たり120円の「儲け」になります。
 (これがショート運用)


つまり、ロング・ショート運用 とは、

資産の価格が上がることからも、
下がることからもリターンを得ようという投資手法なのです。

自分が安いな と判断する銘柄を買い(ロング)、
高いな と判断する銘柄を売る(ショート)戦略 ですね。

別の言い方をすれば、市場(いちば)自体の動きには関係なく、
絶対的なリターンを追及する
(マイナスリターンに陥らないことを旨とする)投資スタイルと云えます。


具体例を挙げてみましょう。

ソル・ジャパン・ファンド 「週間レポート」 

(日本株式 へのロング&ショート運用)

運用会社 スパークス アセット・マネジメント投信
 

上記レポートを見ていただくと、

・売り建て(ショート)と買い建て(ロング)が
ひとつのファンドに混在していますね。

・日経平均 と比べると、
 ファンドの値動きが異なっている のがわかります。

(当ファンドの信託期間は150年。分配金は原則出しません・・)


さて(もう一点重要なポイントですが)このロング・ショート運用、
ふつうは 借金 をして(レバレッジを効かせて)行うのです。

引き受けるリスクを増幅させるという点では、
先物・オプションでの運用、商品先物市場での運用 と同じ系統となります。

「ちょっと、待って! カンさんは確か 投資スタイル として、
インデックス運用を推奨しているんじゃなかったの?」

はい、そうです(笑)

「でも、今言っているロング・ショート運用とか、
要するに オルターティブ運用 そのものが、

人間の目利き力でもって マーケットから収益を得よう という、
言ってみれば アクティブ型の投資スタイルでしょ?

それって、カンさんの理念に反するんじゃない!?」

あらら、はい。わたしのことをよくご存じて・・(笑)


わたしが オルターナティブ運用 に注目する理由は、

それが伝統的投資スタイルである インデックス運用 と
相関関係 が低いからなのです。

(異なった値動きをする ということ!)

つまり、

インデックス運用 + オルターナティブ運用 を行うことで、

あなたのポートフォリオが引き受けるリスクの大きさを
更に軽減させることが可能になるのです。

そうです、わたしは(料理でいうところの)隠し味 として
A運用 を捉えています。

さて、オルターナティブ運用、
それも 2.創造的リターンを追及するタイプの運用 の中で

いちばん知名度が高いのが ヘッジ・ファンド と呼ばれるものです。

(実は ロング・ショート運用 も
ヘッジ・ファンド の運用手法のひとつ・・)

ヘッジ・ファンド とひと口に言いますが
(実は)その定義づけは曖昧です。

狭い意味でいうところの ヘッジ・ファンド は(ズバリ)
私たちには無縁の世界です。

最低の投資単位が2,000万円、3,000万円というのはざらで、
私募ファンド ですので、購入できる人数も限られています。

今からお話するのは狭義のヘッジ・ファンド から派生した
(言ってみれば)ヘッジ型のファンド だとお考えください。

続きは次回に・・)




            香港セントラルのHSBC銀行前にて。

            (ものすごい吹き抜けの建物です・・)


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