2004年11月19日(金) |
非伝統的投資スタイルについて その4) |
こんにちは、カン・チュンド です。
先日の続きですよ・・。
ヘッジ・ファンド は(基本的に)マーケットの 歪み を利用して 収益を上げています。
歪み とは、喜怒哀楽、感情のブレ のことです。
市場(いちば)は 生き物 ですから、 些細なことにも 喜んだり、怒ったりします。
(その感情にうまくつけ込んで、利益 を上げるのです)
しかし、これって(典型的な)マーケット・タイミング法 ですね。
(それに対する 反論・・)
ヘッジ・ファンド の運用者はこう云います。
「わたしはファンドに 自分のポケット・マネー も投資している。 投資家 と わたしの利害 は一致するはずだ。
それに、わたしの 報酬 は ファンド運用に成功しないと増えない仕組みだ。
君は マーケット・タイミング法 というが、 わが社の投資スタイルは先端の金融工学を駆使したシステム運用だよ。
コンピューターに(前もって)あらゆる事態を想定して シュミレーションさせている。
人間のみが管理する運用より、 よほど リスクマネジメント ができていると思わないか?」
んー、なるほど・・。
それはそうでしょう。
確かに システム運用 を行えば、 人間の主観(あるいは相場観)が混じる余地はありません。
が、システムそのもの を構築する際に、 人間の主観 が(そもそも)入っていたのではないでしょうか?
判断の前提となる 情報 は、 人間以外の 誰が 打ち込むのでしょうか?
人の思惑を超えて マーケット が動く場合、 システム運用が機能しなくなることがあるのは 自明の理 だと思います。
さて、先日のお話を思い出してください。
1.複数の投資スタイルを採用(要は ファンド オブ ファンド) 2.単一の投資スタイルを取る
上記は ヘッジ・ファンドの運用手法 を ざくっとふたつに分けたものです。
より「リスク分散」を行っているのは、 複数の投資スタイルを採用する「ファンド オブ ファンド型」ですね。
これは1980年代にイギリスの運用会社である GAM が 本格的に始めたと云われています。GAM
同じく「ファンド オブ ファンド型」で有名な運用会社が マン・インベストメント ですね。
さて、「ファンド オブ ファンド型」は
複数の投資スタイルを内包しているわけですから 例えば、
1.マネージド・フューチャーズ 2.ロング・ショート戦略
3.アービトレイジ 4.イベント・ドリブン
のような投資戦略をミックスさせているわけですね。
ファンドは、各投資スタイルに長けたヘッジファンド (単一の投資スタイル)の中から、
ファンド オブ ファンド に組み入れるファンドを選定します。
1.〜 4.までのそれぞれについて、 選定とモニタリング を行うわけです。
そして、オリジナルの ファンド オブ ファンド を組成します。
ん?
そうすると、ファンド オブ ファンド には
組み入れた もとのファンド に対する手数料と、 ファンド オブ ファンド自体 に支払う手数料、両方がかかってきますね。
ヘッジ・ファンド のコストについては、また次回お話しましょう(笑)
注)マネージド・フューチャーズ とは、商品の先物、金利、通貨(為替)、 指数の先物など、future(先物)に投資する戦略 をいいます。
なるほど・・。
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