| 2004年06月14日(月) |
【大草原で遊牧民族の生活を体験・・内蒙古�◆� |
乗馬を終わりバスに乗り換えて宿泊所まで帰ってきたが、思いもよらないほどの長距離を馬で移動していることがわかりびっくりした。折から夕日が大草原に沈むところであった。子供の頃歌った「ここは御国の何百里、離れて遠き満州の赤い夕日に照らされて」という軍歌の一節を口ずさみ、歌詞の場面を脳裏に重ねて兵士達の心情を偲びながら落日を眺めていた。
夕食にはモンゴル料理を御馳走になった。牛肉と鶏と羊の肉が主となる料理で乳を加工した料理も品数豊富に沢山出てくる。小豆と米を混ぜたお粥や小麦粉で作られた饅頭もある。ご飯は短粒米で粘りがあり日本人の口にあう。野菜もあるが油で炒めてあるものが多い。しかし味付けはどの料理も思っていたほどしつこくなく、辛味が効いていて美味しいと思った。圧巻はメインディッシュの羊のローストである。首と手足と内蔵は取ってあるが子羊の胴体が皿に盛られてドーンと置かれるのである。現地の人々はこれを我先にとナイフで切り取って骨ごとかぶりつくのであるが、我々は頼んで細片に切りわけて貰った。
夜中に起き出して空を仰ぐと宿舎の照明も消えていて星が大きく輝いていた。天の半球一杯に無数の星が輝く様子は神秘の世界そのものであった。
朝再び民族衣装に身を固めた若い男女の別離の歌と杯に送られて、昨日きた道をフフホトへ向けて出発した。帰路蒙古民族の聖なる場所「オボ」を見学した。これは草原の中の小高い丘に設けられている道祖神のようなもので、石ころを半径3m高さ2m程の円柱状に積み重ねてある。屋根には細い木の枝が十数本建てられている。そしてオボの頂上の柱からは赤、 青、白、緑、黄の五色の旗が四条の紐に結ばれて風に靡いている。赤は太陽、青は空、白は雲、緑は草原、黄は大地を象徴しているのだという。いかにも蒙古の自然を端的に表現していて面白い。蒙古の人達はこのオボにお参りして「ホンマミマミホン」という呪文を唱えながら左へ三周半、右へ三周半した後、正面に向かい五体投地の拝礼をするのだという。ラマ教の影響が認められて興味深いものがある。
王昭君の墓はフフホト市内の主たる観光地の一つで、広大な公園になっている。墓は公園内の高さ33mの丘の上に小さな宝形の屋根を柱だけで支えた建物が建っていて、この中に王昭君の衣冠姿を彫刻した石碑が飾られている。この丘の上からはフフホト市内が一望できる絶好のロケーションである。またこの墓の上り口の広場には王昭君と呼韓邪単于(こかんやぜんう)の騎馬姿の石像が飾られていて多くの観光客が記念撮影をしていた。因みに王昭君は紀元前33年頃の人で南郡の良家の娘であった。前漢の元帝の後宮に入ったが匈奴の王、呼韓邪の許へ献上され妻となった。
これには以下のような故事が伝えられている。当時勢威のあった匈奴の呼韓邪単于が元帝に妻を求めてきた。元帝は三千人ともいわれる妃嬪を寝所に仕えさせるのに肖像画の中から指名していた。後宮の女達は帝の指名を受けるために画工に賄賂を送って自分を美女に描かせることに意を用いた。容貌に自信のある王昭君は賄賂を送らなかったので醜女に描かれてしまった。帝は醜女の彼女を匈奴の王に贈ることになったのである。
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