テレビ等のアナウンサーや司会者にはいわゆるバイリンガルの帰国子女が活躍しているのをよく見かける。外国の要人達とも電話でやりとりする場面が放映されるのを見ているとその語学力に驚嘆させられることが多い。
おそらく彼等、彼女等の親達が海外勤務であったから幼くして外国語に触れる機会が多かったため、バイリンガルたりえたのであろうと思う。語学を身に付けるには幼い頃外国で生活する必要があるなとも思う。
少なくとも今まではそう思っていた。ところがそうでないケースも沢山あることを知った。たまたま在外期間が就学前から小学校一年生位までであればいいのだが、これが二、三年生過ぎてからの帰国となると問題が生じるようだ。日本の学校では小学校三年頃から学力が急速に伸長するため、帰国子女はカルチャーショックもある上に今までの学力の遅れを取り戻す努力だけで精一杯になり、新たな上へ向けての勉強についていけなくなり、登校拒否や学校嫌いになるケースがままあることということを、我が身につまされて知った。新三年生になる孫が帰国することになり、転校手続きをしている過程で信頼する教師から、進級を一年遅らせたほうがいいかもしれないというアドバイスを受けたからである。
外国での学習は本人の能力を引き出すことに重点を置いているため、のんびりしていて、詰め込みは強制しない。ために小学校二年生以降に帰国すると日本の学童に比較して相当学力が遅れている上に母国語である日本語も学習しなければならずで相当な負担がかかるということである。素質がありかつガッツのある児童であれば乗り越えられるであろうが、繊細な性格の児童にはついていけなくて、いじめの対象にされたり落ちこぼれになったりするということである。保護者である両親が決断することであるが悩みは深い。
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