われ想う
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2002年05月12日(日) 響き渡るもの

いつもは「JOEさん、はうぅぅぅぅぅ(昇天)」とか、「NOISYめんこいーっっっ!!!!!」とか
感情のおもむくままに叫び散らしている私であるが。
普段とは人が変わったような乙女モードになったり、妙な精神論をホザきだしたりすると、
それは、恋愛ゴトに思い悩んでいる真っ最中を意味する。

唐突に聴きたくなる曲や、脳みそにガガガッと降ってくる曲。
それは、本能が欲している「音」な気がして、なるべく忠実に反応することにしている。
「Reverb」。GRAPEVINE。
明け方に電話を切ったあとに、居ても立ってもいられないぐらい聴きたくなり、
棚の奥の奥の奥から引っ張り出した。

『君は目をあけて何処を見てるの? すべてはこのまま嘘になるのかも
 迷わせて 迷わせて 我を忘れるように甘く 辿り着けぬほど深く
 見えないだけ 認めないだけ 痛みを断ち切る恋じゃなく
 君を失うよりはいっそ 目を閉ざして』

君を失うよりは いっそ 目を閉ざして。

少し前は、そうだった。失うことが何より怖い。何より悲しい。何より辛い。
だから、ほんの少し目を閉じて、私の中ですべてが過ぎ去るのを待つ。
余計な感情が、二度と息を吹き返すことがなくなるまで、目を閉ざして、待つ。
でも。昨夜を境に何かが変わった。
彼が、幸せになるなら。
今、この瞬間も七転八倒で苦しみに必死で耐えようとしているなら。

いっそ 目を閉ざしている間に 君を失ったほうがいい。

記憶や人生や時間のリセットボタンがあるなら、私は押したい。
押すことで、彼の記憶から「私」の一切が消えてもいい。
それで、彼が幸せになるなら。
それが叶わないのなら、いっそ、ココを刺してくれ。


「Reverb」って、確か「残響」って意味だっけ。
昔は最後のギターが、闇に優しく差し込んでくる太陽の光みたいに感じたけど、
今は、自分の中にこびり付いて離れない残響音みたいで、ちょっと悲しい。
結局、私は彼を忘れることができない、という暗示のようで。

恋愛って楽しかったのに。恋が取れて愛になると、一気に苦しくなる。
どうして好きになれば好きになるだけ悲しくなるんだ。
どうして愛しく想えば想うほど苦しくなるんだ。

でも、もう、「いち抜けた」はできないね。


睦月 |MAILMy登録