音を聴く日々。
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2007年06月02日(土) |
GRAPEVINE@新木場STUDIO COAST |
アルバム「From a smalltown」ツアーの最終日を見に、 新木場STUDIO COASTに行く。 今回のツアーでは、3本目。 1本目でバインの感覚を思い出し、 2本目でアルバムの表情とメンバーの今がわかってきて、迎えた本日。 やっと準備運動ができたところで、もうファイナル。 楽しみでありながら、すでに寂しい気もする。
見やすい場所を選びましょうってことで、友達と開演時間ちょっと過ぎに会場に入る。 今回は、1階のフロアではなくて、階段を上がった、 左右にせり出しているバルコニーのようなところ(金やん側)で見ることにした。 視界の下には、人の頭、頭、頭。 思った以上にフロアはぎゅうぎゅう。 しかし、こちらは適度な余裕。視界をさえぎるものもほとんどない。
開演時間を少し過ぎ、長めにSEが鳴って、メンバー登場。 田中君、いつもどおり白シャツ。 西川さんは、横浜でも着てたちょっとおしゃれ風な白地にドット柄のシャツ (だと思うんですけど、なにしろ目が悪くてよく見えず)。 さわやかーな印象。 SEから続いて「ランチェロ'58 」、「スレドニ・ヴァシュター」。 以前の2回と比べてお客さんの盛り上がりが格段に良くて、圧倒される。 「シスター」では、田中君・西川さん前ではモッシュが起きて、 蠢く人の頭を見てたらこっちまで、息苦しくなる。 胃が痛くなる…。あぁ。
序盤のハイライト(あくまで私にとってですが)は「南行き」。 あのバカっぽい(良い意味ですよ)ツインギターに思わず笑う。 田中君と西川さんが見合って、楽しそうに弾くところがたまりません。 この曲を聴くとね、本当にバインは不思議なバンドだ、と思う。 だって、このカラッとした明るさと、気分もどっぷり沈むダウナーさ、 そして苦しくなるほどの切なさが同居してるって、どういうことよ?と。 見れば、見るほどに、聴けば聴くほどにわからなくなっていくのだよ。
「上京して10年。居心地が良いようでいて、まだ慣れないところもあります」 「この10年でやっとお客さんの顔を見て歌えるようになりました」 という、田中君の10周年MCを挟んで、懐かシングル(だけじゃないが)コーナー。 「光について」は、ステージ後方から白い照明がメンバーのシルエットだけを ほのかに浮かび上がらせる。 メンバーの表情が見えない分、曲がくっきりと見えてくるように感じた。 このツアーは、照明がぎらぎらしすぎてなくて (一部まぶしすぎる曲もありましたが)、 曲の世界観を照らし出しているようで、非常にかっこよかったー。 今日は、ステージ全体が見える場所で見れたおかげで、 それが特に体感できました。 続いていつ以来でしょうな「涙と身体」、そして「君を待つ間」。 君待ちは、毒のある歌詞が若かった田中君を感じさせます。 懐かしい曲がうれしくて、顔が笑う。
今回のツアーは、中盤非常に眠いコーナーがありまして。 別につまらなくて眠いわけじゃないんだけど、 「ママ」を中心とした静かなコーナーで、どうもうとうと来る。 で、今日は「ママ」でも眠くないし、続くは「アナザーワールド」だし、 やったー、寝なかったぞと。 ソウルっぽいのにひんやりした質感が大好きな「インダストリアル」では、 体も動かせたし。 しかし、やはり眠気は来た。「豚の皿」と「Juxtaposed」ですわ。 「豚の皿」はあれだけどかーんっとインパクトがあるのに、なんでだろね。 そういう周波がでているのか、あまり好きではないからか。 ちなみに田中君、今日は何が気になりだすのか、 と思ったらそのまま「BSE」だけでした。 あ、もしかしてDVD撮影が入っていたからかな。固有名詞出せないからかな。
そろそろ、足腰も疲れてきたこの辺でしたが、田中君は 「ファイナル長いよ、まだやるよ」とのこと。 ほんとに長い。うれしいけど、長い。 ここで再び気持ちを上げてくれたのが「Scare」。 背中合わせで弾いていたリーダーと田中君の姿を、 どうしても思い出してしまうけど、 今は、今なんだと思えるようになったこの曲。 そう思えたのは、かなり今更だが、金やんがかっこいいことに気がついたから。(遅い…) バキバキした力強さもあり、しなやかなメロディもあり。 田中君が振ったMCでは 「10周年おめでとうございます。 微力ながらこれからもお手伝いさせてもらいたいと思います」 と非常に大人な発言の金やん。 あんなかっこいい40代になりたいもんですね。 あ、MCと言えば今日は西川さんと亀ちゃんもしゃべっていたよ。 久々に聴いた生声に会場もわーっでした。
本編最後は、田中君がアコギに持ち替えて「smalltown,superhero」。 ツアーで聴いて大好きになった曲。 この曲があったからここまでバインに戻って来れたかもしれない。 静かに鳴らされるメロディー、ノスタルジックな田中君の歌。 あー、終わってほしくないなと思う。寂しい気持ちがぐるぐるまわる。
アンコール。 「じゃ、懐かシングル」と言って始まったのは「遠くの君へ」。 シングルじゃないじゃん!と突っ込みを心の中で入れつつ、じっくり聴く。 そして「ナツノヒカリ」が終わったあとだと思うんだけど、 田中君が曲紹介をはじめたと思ったら、それをさえぎるように始まる西川さんのギター。 ん?と思ううちに始まった「マダカレー」。 時間がギリギリでスタッフからマキが入ったのであろうか。 そんな空気を締めるべく(?)、最後は「HEAD」! この曲は、ほんとーうにテンション上がる。大好き! ここぞとばかりに手を叩き、手を挙げ、最後の体力を使っておきました。 間奏のところでは田中君の 「今日は誰いってみましょうか!今日は、西川さんと、亀ちゃん!」 「最後は金やんと、高野さん!」という声で、珍しい2人ずつのソロでした。 曲の最後は、ピース。会場中を埋め尽くすピース。 そしてフロア、2階、左右、そしてステージ上のメンバーまでに視線を 移動させながらピースを確認する田中君。 笑っていた。みんな笑顔だった。
ダブルアンコールは、「最後に一曲だけやらせてください」とのことで、 「Everyman,everywhere」。 アウトロで余韻のように響く田中君の声。 いい締めくくりだった。終わってほしくないけど、大満足だった。 約3時間の長丁場ライブ。 対外的には冷めた印象が強いバンドだけど、 ライブは大好きなんだなぁ、バインは、と思った。
今年は、私の中でバイン再評価年になりそうです。 9月の10周年記念ライブもいけると良いけど。
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