音を聴く日々。
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2008年06月07日(土) 安藤裕子@SHIBUYA AX

あっという間に2週間が経ってしまった。
帰る時間が遅くなった途端、夜中に食べる量が増えた途端、
昔にきびという名だった吹き出物がばぁーっと増え、
なんて体は正直なんだと思った2週間。
そして、吹き出物の治りが悪い。
でも、まだまだこれからが本番なんだな・・・。
早くこの生活サイクルに慣れないといかんです。

この土日は小休止。
整骨院に行ったら、脱力したのかどっと体が重くなり、いつの間にか昼寝。
夕方起きて渋谷へ。
ここ2年くらいに渡って、一番聴いていると言えばこの人!な
(ウォークマンの再生回数が常に上位を誇る)安藤裕子さんのライブを見にAXへ行ってきた。

番号も遅かったので(最初から前に行く気もなかったけど)、
PA卓右前辺りに場所をとってライブ開始を待つ。
開演10分を過ぎた頃、客電が落ちて、ライブメンバー登場。
ステージが暗いまま安藤さんの声が響き出す。
1曲目は、アルバムと同じ「六月十三日、強い雨。」。
バンマス山本さんの鍵盤と、こっちはギターの山本さんのアコギの
シンプルな音色にのって、静かに、しかし確実に安藤さんの歌が会場を包んでいく。
続いて2曲目は、「再生」。
客席は、開演前の喧騒が嘘みたいに静かで、それだけステージ上を
みんなが固唾をのんで見つめているのがわかる。
そして、曲の終盤に向かって、もうクライマックスかのように盛り上がる
バンドの演奏。
ゆらぎなく、どこまでも伸びていくかのような安藤さんの声。
ツアー初日ということで、どこまで本域のライブが見れるかな、と思う部分が
正直あったんだけど、そんな思いは最初の2曲でかき消された。
やはり、プロだな(当たり前ですが・・・)。
ちなみに、2人の山本さん以外のメンバーは、
ドラム沼澤さん(素晴らしい)、ベース沖山優司さんと、
コーラス&キーボード(ピアニカとかいろいろ弾いていた)で女性の方が入ってました。

「こんばんは、安藤裕子です」
MCで話し出した安藤さんの声が、急にか細く、少し頼りないものだったので、
歌とのギャップに驚く。
しかし、このギャップがたまらない・・・。
歌は強い。でも、かわいい。うぁぁ、たまらんなぁ(親父のようだ)。
衣装もかわいかった。
薄いベージュのような色で、繊細な生地が幾重にも重ねられた
タンクトップとロングスカート(ワンピースだったかもしれません)が
華奢さ加減を引き立ててて、かわいかった・・・
髪の毛を耳の下で束ねてたんだけど、ライブが進むうちに
「髪の毛っぐちゃぐちゃになってきちゃった」と困ってる姿もキュートでした。
去年ライブ見たときは、そこまでうぁーと思わなかったので、
自分の中の安藤裕子好き度が相当上がってるなぁ、と思ったのでした。

前半は、ほぼ最新アルバム「chronicle.」の曲のみで進んでいく。
スローテンポの曲ばかりなのに、全く飽きないし、眠くもならないのが不思議だった。
(自分の場合、バインとかだと眠くなってしまうコーナーがある、
もしくは心地よくて眠くなってしまう)
眠くなる暇もないほどに、歌の一音一音に、
一言一言に訴えかけられるものがあったのだと思う。
あと、前回に比べて、本当に歌がこちらに向かってきてくれているような気がした。
あくまでも印象だけど、前は、安藤さんの中で完結しているような曲も
あるように思えたから。
それが、安藤さん自身がインタビューなどで言っていた「chronicle.」で
一区切りついた、ということかなのかなぁ、とぼんやり思いながら見ていた。

中盤では、アコースティックな雰囲気のコーナーあり。
「このツアーでは、自分に課題を課しています」と言ってやってくれた新曲
「太陽のうそつき」(だと思う。ディレクターさんから
「そんな暗いタイトルはやめてくれ」と言われたそうだ)では、
その課題である、アコギを弾きながら歌ってました。
そして、ギター山本さんのアコギが効いた1曲は「水色の調べ」。
この選曲は、出かける前にたまたま聴いてたのもあってうれしかった。
前半、結構曲調が重たかったので、このコーナーは軽やかで
楽しかったな。安藤さんも楽しそうだったし。
あと、このコーナーだったか忘れちゃったけど、過去の曲では
「夜と星の足跡 3つの提示」「あなたと私にできる事」もやってた。
昔の曲をライブで聴きたいと思っていた自分にとっては「shabon songs」の
曲はやらない、という割り切り方がうれしかったです。いろいろ意見はあると思うけど。

このコーナーの終盤では
「ここが終わるともう話せるところがあんまりないので、
何か言いたいことがある人は今のうちに」という主旨のことを
安藤さんが言って、実際お客さんの声に耳を傾けてたのが印象的だった。
だって、普通お客さんに話す場なんて与えないよねぇ。
しかし、そんなところとか、客席の声援に手を振ってこたえるところが、
安藤さんなんだろうな。

終盤はね、「海原の月」「パラレル」「ぼくらが旅に出る理由」
そしてラストの「さよならと君、ハローと僕」まで畳み掛けるように
やっていた印象。
どの曲も大好きなんだけど、「ぼくらが旅に出る理由」が終わって
「さよならと君、ハローと僕」のイントロの鳴り出した瞬間がもう、忘れられん。
さっきまで大団円的な、楽しかったなぁという気持ちでいっぱいだったのに、
鍵盤の音を聴いたら、いつの間にか目頭が熱く・・・
クラムボンのように心をぐわっと揺さぶられるわけではないのだが、
じんわりじんわり歌に侵食されているような、気持ちの変化。
だから、毎日聴いてしまうのだろうな。
ラストのこの曲で、うれしい、だけどさみしいそんな複雑な表情で歌う、
安藤さんが印象的だった。
目が涙できらきら光っているようだった。

アンコールでは、物販のワンピース(Tシャツ生地)に着替えて安藤さん登場。
繊細な衣装も似合うけど、ちょっとラフなのも似合うなぁ〜。
メンバー紹介、物販紹介を経てしっとりした新曲を披露。
曲が終わると照明が真っ赤に変わり、沼澤さんのドラムが鳴りはじめ、
そして「聖者の行進」がはじまる。
これが最後だと言わんばかりに、全身を使って歌い上げる安藤さん。
本編とは違って一気に歌の世界にこちらを引き込んでいく。
これは、くるりにおける「街」のような曲だなぁ、と思った。
圧倒的なパワーを持った曲。だから、演奏するほうも力を込めないと歌えない。
最後にそんな姿を見れて、歌を聴けて良かった。

ツアー中、1回見られればいいか、と思っていた安藤さんのライブだけど、
1回見たらもっともっと!という気持ちになってしまい、
帰宅して即CCレモンホール公演を申し込み。
当ててください。お願いします。


ましゅ |MAIL

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