わたしが通っていた小学校はそれはそれは家から遠かった 行きは登校班があったので歯を食いしばって学校までたどり着いたが、帰りはよく途中で休憩をしていた 道草、ではない 本格的に一箇所に留まって休憩するのだ あの頃は先生に怒られたりしなかったので、たいてい公園や神社、短い時間なら友だちの家といったところだ 今のように連れ去り事件なんてのもなかったのでランドセルを下ろして心ゆくまで休憩していた どうせ帰ってから宿題のプリントをやらなきゃならないのだから友達と分担してやったほうが早く済むわと子どもながらに知恵を働かせてやっていた 神社は自分が小さかったのか広い大きな神社だと記憶にはあったのだが 数年前にふっと行ってみたくなって出かけてみたらなんと、とてもこじんまりとした神社だった となりに魚屋さんの友だちがいてよく遊ばせてもらった それから学校に行く途中に刑務所があった たか〜いコンクリートの塀に囲まれたそのたたずまいは子どもながらに気味悪くちょっと怖かった その上しばしば受刑者たちが労働に外へ出てきている姿を見たこともあった 今考えると登校路に受刑者がうろうろしているというのは魔か不思議である それでもそのおじさんの中には(看守ではない)目が合うとニコッと笑いかけてくる人もいた 自分の子供のことを思い出していたのだろうか、、、それにしてもなんて平和な世の中だったのだろう 今では小学生なんて親の送り迎えが当然のようにされているのだから道草もできないね 学校の帰りだから楽しいのにネ 給食の残りのパンなんかかじりながら。
|