初日 最新 目次 MAIL HOME


風にのって龍が翔ぶ
瑠奈
MAIL
HOME

2004年05月14日(金)
孤独を崇高なものへと導いてくれる

言葉による限定をやめることが深い思いを伝え合う鍵ではないかと考え、言葉による枠組みに束縛された感性を解き放つようなアルバム、「オーロラ」を生み出した川井郁子。恍惚が縦糸とするなら不安感が横糸となって紡ぎだされた孤独で静かなすがすがしい宇宙観が織り上げられている 待ち焦がれたニューアルバム ますます感性が磨かれいったいどこまで進化してゆくのだろう 

いつしか彼女の虜となりファーストアルバムから3rdアルバムのどれかを毎朝聞くのが日課となってしまった 特にクラシックが好きというわけではなく、ましてヴァイオリンだけを鑑賞することなどなかったのだが、川井郁子という女性に出あい最初はその容姿や演奏中の表情に見惚れていただけだったが、毎日CDを聴いているうちに彼女だけが醸し出す宇宙感が自分の波長としっくり合うのが感じ取れた だから毎日聴いていても飽きるということがない

「オーロラ」この一枚のCDがわたしを解き放ったようだ 目に見えないなにか暗く恐ろしいものからの解放 そうして孤独を崇高なものへと導いてくれる旋律 耳からの、全身の肌から吸収していく果てしない恍惚感

オーケストラはフルート奏者として有名なパトリック・ガロワが指揮をとるシンフォニア・フィンランディア 本拠地はCDのテーマである「オーロラ」をイメージさせる北欧のフィンランド 北欧の響が最も欲しかったという川井郁子 パイプオルガンとハープがふんだんに取り入れられている 激しい情熱の中にもひんやりとした冷たさが感じられた