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■ 脅威の大発見。(長編大作)
皆様「バターはどこへ溶けた?」という本をご存知ですか?
一時期はやった「チーズはどこへ消えた?」の2番手です。 話の内容は今は関係無く、今回注目すべき点は登場する動物です。
この話には2匹のキツネと2匹のネコが登場するわけですが、 2匹のネコのうち片方を「ミケ」といいます。 挿絵を見る限りでは、三毛猫にかかれています。 そして「ミケ」は3人称では「彼」1人称では「僕」となっています。 つまりオスネコです。
・・・・・・皆さんご存知ですか?
三毛猫ってメスしかいないんですよ
どう言うことですか!?
ここから先は生物の勉強になるけど、三毛猫の謎を解明 したい方はスクロールしてください。で、そんなんわからんわ!!って方 はここまで、と言うことで。
なぜ、三毛猫はメスしかいないかというと、 まず、遺伝の話にさかのぼりますが、生き物は遺伝情報が乗っかっている染色体 を持ってます。で、この染色体、それぞれ同じやつを2本ずつ持ってます。 (例えば人間なら23種類×2=46の染色体をもっている。) その染色体のうち1種類だけ、性別にかかわる染色体で、それを性染色体と言います。俗に言うX染色体Y染色体で、ヒトやネコだとXXだとメス、XYだとオスに なります。でX、Y染色体は違うものなのでX染色体上にのみ乗っかっている のがあります。それが三毛遺伝子なのです。
染色体のある場所に乗っかっている遺伝子は決まってて、2種類あります。 今回の場合三毛になる遺伝子Mと、三毛にならない遺伝子mがX染色体のある場所に 乗っかっています。 じゃ、もし2つのX染色体にそれぞれMとmが乗っかっていたらそのネコはどうなるのだ?と思うでしょう。 このMとmには優劣があって、Mが1個でもあれば三毛になるのです。Mはmの性質を覆い隠してしまうのです。つまりmが2個そろってないと、三毛猫じゃないネコに ならないのです。 これを優勢の法則といい、三毛になる遺伝子Mが優性、ならないほうmが劣性と 言います。
三毛になる原理はわかった。でもなんでオスは居ないかと言うと、 実は三毛遺伝子Mは2つそろうと致死遺伝子(生まれる前に個体が 死んでしまう遺伝子)の性質が現れてしまうのです。 三毛遺伝子Mは劣性形質として致死遺伝子を持っているため、 死なずに三毛になるにはMとmをいっこずつ持つと言うことになります。 そしてこの三毛遺伝子Y染色体には存在しないのです。 と言うことはオスのX染色体にもし三毛遺伝子Mが会ったら、 三毛にはなるけど、致死の性質を覆い隠すものが無いため、1個だけにも かかわらず、生まれる前に死んでしまうのです。
じゃあ、あの本に出てくる猫は一体!?
謎は解けました。
あのネコは性染色体が異常で、本来オスなら持っているはずのXY遺伝子 だけでなく、もう1個X染色体をもっているXXYであるに違いない!
実際そんなネコはごくまれにいるらしい。
2001年12月15日(土)
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