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猛毒。
リョウ
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2001年12月16日(日)
ガラム。

最近、みんなに煙草を吸うなって言われる。


あたしが吸ってる銘柄は、
ガラム。
甘い香りの、
ちょっときつめの煙草。
煙草を吸わない子にはちょっとイイにおいに思えるらしいけど、
煙草を吸う子にはくさいらしい。


本格的に吸いはじめたのは今年の夏ごろからだけど、
ガラムは昔から知ってた。
大好きなにおい。
昔の彼氏のにおい。


ガラムを吸ってた昔の彼氏は、
尚っていう。
同い年なんだけど、
家業を継いで今はバーテンとして勉強中。
小学生からの友達で、
あたしはすぐに引っ越しちゃったんだけど、
連絡はけっこー取り合ってたりしてた。
同い年のくせにいろんなことを考えてて、
勉強はできなかったみたいだけど、
学校で教えてくれない人生の渡り方を知ってる人だった。
あたしが昔、つらい恋をしていたとき、
話をずっと聞いてくれてて、
あたしの中では相当に、心の支えだった。


その尚がずっと吸っていたのがガラム。
小学生の頃から吸っていた。
あたしはそのころから煙草に抵抗が無かったから、
よくあたしの隣で煙草に火をつけた。
だからあたしがはじめて吸ったのもガラムだった。
ガラムを吸っている時の尚の顔が好きだった。
喧嘩もすごいたくさんしたし、
結局付き合いつづけることはできなかったけど。
ガラムのにおいはあたしの中で、
パプロフ反応で落ち着くにおいだった。


やわらかな煙のくゆれるのと、
甘いにおいと、味と。


だからあたしは、
煙草をやめられなくなる。
心の安定をもとめて、
昔の幸せをもとめて、
現実から一時でも逃げる為に。