冷静なる自己判断は、 やっぱり澱みにつながっていました。 知りたくはなかった自分の本音。 だけどきちんと自分を覆い隠して膜を張るためには、 自分自身をきちんと知っていなければならないのです。
萩に、 たくさんのことを話した。 つい最近、 どうもココロに限界がきて、 委員会の本部でちょっと泣いちゃったのを、萩はその場にいたヤツから聞いて知ったらしく、 「あんまり思いつめたらアカンよ」 とさりげに言ってきて、 それが全然「さりげなく」なってなくて。 「あー聞いたんだ」って思って。 別に隠すようなことじゃない。 ユウコとトミタにさえ知られなければいいことなんだけど・・・。
ちょうどよかったっていうか、 話の流れっていうか、 萩には、 良ちゃんに大晦日に言われた言葉のことや、 待っていたつもりなのにユウコとトミタに2人してそそくさと帰られそうになった日のことや、 トミタに電話で言われた言葉のこと・・・、 そんななんやかんやについてを、話した。
萩は「わかる」と言ってくれて、 でも、 良ちゃんやトミタの言葉に従ってユウコから離れようとするのはチガウって言った。
「関係ない。周りの奴になんていわれようと。友達は友達なんだから。遠慮することなんてないんだよ」 って。
萩が言ってることは正しいと思った。 だけど、 あたしの中ではスデに、 遠慮とひけ目と同時に、 ユウコへの嫌悪感がある。 それを隠しとおすことが無理なのは、 もう自分でもよくわかってる・・・。 もしあたしが良ちゃんやトミタになにを言われたとしても、 ユウコのことを信じて、好きだって気持ちがあったとしたら、 あたしはユウコとちゃんと一緒にいようとしたと思う。 だけど。 あたしはトミタが好きだったし、 ユウコのことを嫌いだと思ったし、 ココロからユウコのことを嫌いだと思ったし、 もう二度と関係が戻ることがないことは、あたしの中では決定事項だった。
萩にはそこまでは言わなかったけど、 「あんまり色々考えてたら、ユウコのこと嫌いになっちゃうよ」 って言われたとき、 あたしはうまく否定もできず、 笑い飛ばすこともできなかったから、 勘のイイ萩はもう気がついていると思う。 あたしがユウコのことを、 もう以前のようには友達として思えないということを・・・。
ユウコは、 「イイコ」で、 「女らしく」て、 暖かな言葉をかけるし、 相手を思いやるし、 上品だし、 面倒見がいいし、 でもちゃんと言うべきときは意見を言う。 ・・・って、 周りのひとは見てると思う。 実際、 それは事実の部分が多い。 だけど、 あたしは長い付き合いの中で、 ユウコの薄暗い「自分に自信がナイ」部分のことを知っていて、 そういうユウコが自分の中で当たり前になってしまっていたから、 だんだんと自分に自信をつけて天狗になっていくユウコの姿に耐えられなかった。 傲慢。 そうとしか思えなかった。 ユウコがあたしを密かに邪魔に思っていたこと、 ユウコがあたしを密かに見下していること、 ユウコがあたしの周りの人間を、自分の味方にしようとしていること、 そしてそれを、どれだけ自分が他人に良く思われているかということを、あたしにさりげなさを装って話すこと・・・、 自慢げに。 とても、自慢げに。
冷静になって考えると、 いくさも思い浮かぶたくさんの出来事。 どちらが間違っているか、といわれたら、 多分あたしが間違っているのだけど。 でも確かにあたしは「嫌いだ」って、思ったから。 それでイイでしょ?? 無理してまで一緒にいることないでしょ??
これ以上、 一緒にいても無駄だよ。 一緒にいると喉が詰まる。 サヨナラしよう。 今度こそ。
今は、 友達を他の方面で増やそうとしている。 あたしは人として屑だし、 悪だけれど。 だからありがたくお友達でいさせていただきなさいって話にはなんないよね? あたしだって、 なるべく人の不幸なんて願いたくはない。
ユウコに対する気持ちを、 リアルに萩に話したわけではないけれど、 あたしの中の澱みは伝わってしまったと思う。 少しソレを悔いた。 重い気持ちは人に預けちゃいけないのにね。
あたしの居場所、 できるかな?? なくしてしまったかもしれない。 だけど、 もう前の場所には戻れない。 戻らない。 いらない。 あたしが、 イラナイと、 拒否するのよ。 あたしが。
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