白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2010年05月28日(金) バームクーヘン観

今日は「絶対に書かなきゃ」と思っていたのに日記を放置気味で書きそびれていたことなど。

……それは母の入院騒ぎで草臥れ果てていた時のこと。遠くの友人から贈り物が届いた。図書カードと焼き菓子の詰め合わせセットが入っていて、草臥れていた気持ちが一気に盛り上がった。図書カードはもちろんだけど、甘い物好きなので「小洒落た甘い物」がとても嬉しかった。なんだかんだ言って甘い物は食べているけれど、家で作ったり、手軽な物を買ったりしても「デパートで買い物」なんてことをしないので、ちょっと洒落た感じのお菓子にはすっかりご無沙汰していたのだ。

フィナンシェだのスフレだのと言った個別包装のお菓子とバームクーヘンが入っていた。まずは手軽な個別包装のお菓子を食べて感涙。家で作るお菓子も美味しいけれどプロの手で作られた御菓子の味は格別だと思う。いくつかの焼き菓子を食べて数日経った頃……やっとバームクーヘンの封を切った。バームクーヘンって嫌いではないけれど、特別好きなお菓子ではなく、いったん封を切ってしまったら一気に食べなきゃいけないので、なかなか踏ん切りがつかなかったのだ。

現在37歳の私が子供だった頃。洋菓子は今ほど美味しく無かった。「しっとり」とか「ふわふわ」と言った食感の物はほとんど無くて、当時、手土産の定番だった「レモンケーキ」とか「バームクーヘン」とか言う焼き菓子類は、甘ったるくて質実剛健な感じのする食べ物だった。それらは「手土産でしか食べられない貴重なお菓子」ではあったけれど、私は決して好きじゃなかった。

その話を2歳年上の夫にすると「あ〜。分かるわぁ」と賛同してくれた。そしてバームクーヘンの切り分けつつ「堅くならないうちに早く食べようね」なんて言ったのだけど……そのバームクーヘンは絶句してしまうほど美味しかった。それは私達夫婦が知っていたバームクーヘンとは全く別の食べ物だった。子供の頃に嫌っていたパサパサした感じが全くなくて、しっとりとして甘すぎず「いくらでも食べられる」美味しいお菓子だった。

数年前からバームクーヘンが流行っていたのは知っていたし、デパートの洋菓子売り場でガラス越しに長い棒に刺さったバームクーヘンを見たことはあったけれど「あれはパフォーマンスの一種でしょう」と思っていて、実際に買ってみようとは思わなかった。

今まで損してたんだなぁ……。

ここ10数年の洋菓子技術の向上って侮れない。甘い物好きとしては嬉しいことだ。友人が送ってくれたバームクーヘンは私の中のバームクーヘン観を大きく変えてくれた。これからは機会があれば自分でもバームクーヘンを買ってみよう……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
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