Good Luck,Good Lack.
     
 吹雪之歌
どうもこんばんは、xxxです。
高校生の方はもう冬休みだったりするそうですね。
やれやれ、なんとも羨ましい限り・・・。

昨日書かなかったので、
caramel box『ブリザード・ミュージック』の感想を。

昭和6年、宮沢賢治に出会った四人の大学生。
時代は変わり70年が経った今、
脚本兼演出家兼主役・芝居初体験の梅原清吉、八十歳。
未公開の宮沢賢治の舞台を上演するのは、一週間後の十二月二十五日。
忘れていた、でも色褪せてさえいなかった、
その出会いを思い出した吹雪吹くクリスマスの物語。 

ネタばれ。
西川さん、かっこいい〜♪
90歳の『じじい』の役とは思えませんな(笑)。
過去絡みの小ネタ(T●UTHとか)が随所に散りばめられて、
前説含めて非常にキャラメルボックスですね。
始めは笑わせるだけ笑わせて、綺麗にまとめる。
とても綺麗に。

音楽はさすがZABADAKです。
いつもよりもロック調ということで、
ノリの良い音楽+クリスマスソングが多いですね。
特に良かったのは、
『7日目、本番前のリハーサル』でかかった『鏡の森』。
インストなんですが、最高です。

大正とか昭和初期とかの学生帽とマントって大好きです。
着物と学生服どっちもありの時代。
ストイックにそして本が似合い熱く語り合う学生達。

宮沢賢治先生、の台詞が良い。
非常に良い。
「原稿を、返して下さい!」
きっとそんな人だったんだろうと、思う。
ただ朴訥とした頑固でそうして優しい人だったんだろうと、思う。

『世界が全体幸福にならないうちは』
いけませんか、一人を幸せにしてはいけませんか
『個人の幸福はありえない』
皆が誰か一人を幸せにしたら、世界は全体幸福になりませんか

人が人に好きだと素直に伝えることが出来たなら、
世界はもっと幸福になるんじゃなかろうか

「本番前のリハーサル」は、キャラメルお得意のスピード展開。
その中でも一番好きなのは、電車の通り過ぎるところ。
吹雪も強く電車の光が轟音と共に通り過ぎる。
なのにきっとどうしても雪だけは静か。

ラストシーンが圧巻です。
吹雪の中に翻る、蒼い照明の中の黒いマント。
・・・ああ、そう言えば又三郎は風と共に消えたんだっけ。

昨年度でしたかね、友人と花巻に行って
宮沢賢治先生の「アメニモマケズ」の色紙を買いました。
黒地にブルーで賢治先生のあの立っている姿があって、
金色でノートの文字が印刷されているものです。

どうしてあんなことが言えるんだろう。
どうしてあんなことが書けるんだろう。
本当はずうっと不思議だった。
本当はずうっと信じられなかった。
それでも。
捻くれ者の僕にも、いつかあんな風に思えるようになれるだろうか。
少なくともあんな風な思いに素直に感動したままいれるだろうか。

いつか今度は雪の降る花巻に行きたいと思います。
いつになるかはわからなくても必ず。

本日これにて。

2001年12月19日(水)


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