まだ見ぬアナタに一人負け
-- 会社の新人部署配属は5月終盤なのですが、既に書類上は配属されて、それぞれの部署から技術研修に参加しているという形になっています。ああ、形式美。で、自分と同僚は部署に配属される新入社員2人に、先月の書類上配属日(顔合わせ・歓迎会)を契機として、業務日報の提出をバトンタッチしました。研修の内容を毎日送ってきてくれているのですが、直接自分の後輩になるお嬢さんの文章が非常に達者です。一年前の自分にこんな文章が書けたかなあ、と思うのは普通ですが、今の自分にこんな文章が書けるかなあと思うのはどうだろう、と気づいて帰りがけに少しへこみました。 この差ですが、文章力、というより論理力というべきなのかな、と思います。文章力と言うと個人的な定義としては、文学的感情的なもので倒置法とか比喩のように技巧を凝らす力、一方論理力というのは感情的なものをなるべく排除し、自分自身の意見をも冷静に分析する力だと定義しています。そして、私にはこの論理力、特に現実や業務に即した論理力が弱いのではないかと今更ながら思い至ったわけです。この場合の現実、ということは経済とか政治とかそういったことを指し、反意語は空想・妄想で、これらはやはり文芸的なものに所属します。そして、今の「会社員としての」自分に必要とされているのはどう考えても後者なわけです。つまらないつまらないと思っていた教科書やHOW TO本ですが、よく考えれば延々100ページも理路整然としたことを書き続けると言うのは、大変なことだとその類の本を教科書として持つことの無くなった今更ながらに気づきました。遅すぎると言うことはないという名言を信じて、今からでも論理力を身につけようと思い立ち、今日は自分としては酷くしゃちほこばった文章を書いてみたのですが、これも振り返るとただの随筆ですね。テーマを決めて論文を書いてみるといいのでしょうか。小論文、と聞くと嫌な記憶が数々と蘇りますが、実際はあれが一番いいのかもしれない。 -- 何より、「一人負け」という勝ち負けで表現する時点で、自分の人間としての器の小ささを思い知り、あまつさえそれを(本人はそんなつもりがなかったようですが)人に指摘され、本日は少し鬱気味に帰り道。『ネットワークはなぜ繋がるか』も全然頭に入らなかったし。あーあ。
2004年05月11日(火)
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