退寮を告げられるまでは、次に住む場所を浦和か三鷹にしようと漠然と思っていた。浦和は以前に何年も住んでいたから落ち着くし、三鷹は足を運ぶ度に開放的な空気を魅力に感じたからだ。けれど、どちらに住んでも通勤時間が今よりも長くなってしまう。現在寮に住んでいて、通勤時間の長さを大きなデメリットに感じている。それなのに、引越しによって更に通勤時間が長くなるのは問題だ。したがって、残念だけれど浦和も三鷹も、今の会社を去ってからの楽しみにしておく。今、有力なのは浅草だ。但し僕にとっては家賃が高い。迷う。
今日は、死んだ魚のような態度で仕事をしていた。態度ばかりでなく能率も悪く、夜10時20分まで会社に残ったりした。大規模な作業を始める前に必要な資料を作って目検で精査していたら、僕の部署に出張してきた人が「いつまでそれ眺めてんの」とディスプレイを覗き込んできた。僕がこの資料を確認していたのは数十分だけれど、あなたはこの本社に2時間かけてやってきて、事前に資料を確認しておけば30分で終わる打ち合わせに3時間費やして、「疲れた疲れた」と2時間雑談してたじゃないですか。いっその事、そう言えば良かったのかもしれないけれど、そんなことを口にしたら二度と蟹を奢ってもらえないのでやめた。これが大人になるということなのか。いや、大分違う気がする。
友人の言葉がなかったら、今頃は欲の痰壷とかサンドバックになっていたのだろう。助かった。今の仕事では給料を貰うに値しないし、今の生活では生きる価値が殆どない。それでも、ここから奮い立つことができたらいい。 // |