急に寒くなってきた。寒い季節には鍋だ。最近は“鍋のつゆ”がイロイロ販売されているから、家庭で楽しい時間が過ごせる。イイ時代になったもんだ。
昨年までは“寄せ鍋のつゆ”とか“キムチ鍋のつゆ”というマトモなものが主流で、“豆乳鍋のつゆ”なんてのがちょっと変り種だったと思う。だが今年の冬は凄いね!
“とんこつしょうゆ鍋のつゆ”は、締めに“ラーメン”を推奨している。鍋用の“ラーメン”というのも販売されてるんだよ、これが!
そして永谷園が満を持して世に送り込んだのが“カレー鍋のつゆ”だ!
昔は鍋ってそんなに好きじゃなかった。オフクロがよく作ったのは、いわゆる“水炊き”で、それを醤油とかポン酢とかで食べる。「何が美味いの?肉とか魚は焼く方がいいじゃん!」という心境だったなぁ。だけど一度だけ“水炊き”を心底「美味しい〜!」と思ったことがある。
モリハル小学校4〜5年生の頃だったと思う。3歳年上の姉が同級生から「天体望遠鏡で星を観測しよう」とデートに誘われ、モリハルもそれに付いて行った。彼は多分姉のこと好きだったと思うんだけど、姉はそうではなかったんじゃないかな。じゃなかったらクソガキの弟なんて誘わないよね。
そんな二人の心境お構いナシに、モリハルは冬空に魅了され、土星の輪を見て興奮し、オリオン座の星達を覗いた。そして1時間後、体は芯まで冷えた。
家に帰ると夕食に“水炊き”が用意されていた。「ゲゲッ!」なんて思わず、バクバク平らげた。それまで「ダシ殻じゃないの?」と思っていた鶏肉も、「パンチのない魚!」と評された鱈も、ホント美味かった。そして夜空に繰り広げられた天体ショーを、食べながら熱く両親に語った。ニコニコ聞いてくれてたけど、きっと両親はそんなことより、娘を誘った野郎がどんな奴だか知りたかったんだろうな。
家族で食べる鍋は暖かいね!
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