今迄。そしてこれから。



 全ては虚像の中に。



「生きる意志さえあれば、どうにでもなる。」

と男は言った。
僕は頷かずただ目だけで彼を追った。

「最初っから諦めて取りかかるなんざ、愚者のすること。」
肝心なのは気持ちさぁとまるで唄歌いのように言う。



「いいかい。周りが10であったとして、君が0だとする。
かけるとどうなる?」
「零」
「その通り。」


「どうせ駄目だからなんて言う人もいるさ。
けれど、その人達は本当に駄目だなんて思っちゃいない。
騙されてんのは君だけだ。
そろそろ、気付いてたろ?」
「・・・」



返事はしなかった。






















「人間本当に駄目な時は、何も言う言葉なんてないんだからさ。」








2002年09月13日(金)
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