twilight shackles
枷夜(かや)



 「1人の昼と2人以上の夜」(2/30)

実話なのだけど、お題に合いそうなので。
お題はOnly you can rock meより頂きました。

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昼前に呼ばれた...。夕方に来い、と。
私は数日間、避けていたのだ。私を飼う存在を。
自分の存在を...自分で見直すために。

早い時間に仕事を終えることが出来た私は
嫌なものを流すようにシャワーを浴びて家を出る。
少し到着予定を過ぎて待ち合わせのコンビニに着いた。

お茶だけ購入して、そのままホテルに入る。

何もいわずに歩く背中を追いかけて
ソファに荷物、コート、ジャケットを脱ぎ捨てて
これも無言でお風呂場に向かった主様
何をしていいのかわからなかった私は、とりあえず
ジャケットとコートとマフラーをハンガーにかけ
先に購入されていた飲み物を冷蔵庫に入れた

戻ってきた主様はソファに座った
咳き込んでた...ずっと風邪が響いているんだ。
床に跪き...主様を見上げた。

「風邪...まだ、辛いですか...」

やっと...出せた一言だった。
沈黙から...会話をはじめることが出来た。

話の後...お風呂に行った主様
その間、ずっとずっと待っていた
戻ってきた主様は布団をはいでベッドに座った

「こっちに来い」

どうしようか迷って、服を脱いで、髪を解いて
家から持ってきた首輪を差し出した
首輪をつけてもらったのは...クリスマス逢瀬(前半)か
1ヶ月なのだけど、それ以上かも...と思った

1ヶ月と10日ぶりに付けていただいた首輪は
すごく...すごく...重かった







私を満たせ、主様のお言葉に
私なりに、精一杯...やれたと思う...

最後に私で汚してしまった主様を
舐めてきれいにした後...
顔を上げろ、という言葉を頂いて

「その前に、私の頭を踏みつけてください」

思わず、お願いをしてしまった...
主様は壁にもたれかかって背中に枕を置いて座っていて
右足を上げて、その足でグリッグリッ...と
私の頭を踏みつけて下さった

顔を上げろともう一度言われ、顔を上げた

「どうして、素直になれないのか...
      私は不思議でたまらないな...」

誰にも、自分を出せず...孤独だった時間は
主様と過ごす...ぬくもりのある時間に変わった






外を出たら、もう、真っ暗だった。
まだ...夜は始まったばかりだけど
私と、主様の夜は、おしまい。



2004年01月19日(月)
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