twilight shackles
枷夜(かや)



 「イツカ」の話。

昨晩、寝る前に主様におやすみコール。

その時に、思いがけない話を切り出されて
もちろん、私は戸惑った...



「彼女と結婚する日が来たら...」



「枷夜はそれでも、自分であることを
 忘れないでいてくれるか?」




いつか...あるだろう、その時の話を。
わかってる。...わかっているんだ。
私が私で居る事を決めた時から...
その日が来ることくらい...判っているんだ。

けれど、私は今日この時にいきなり突拍子も無く
話を切り出されたことに不満でたまらなかった。

主様にとっては知ったことではないだろうが
とりあえず、今の自分で精一杯だった私には
...主様にとっては、おそらく、ふと何となく思って
「聞いてみたかった」程度でもかなりショックだった。
頭痛の頭をカナヅチで更に殴られたような気分だ。
そんなことで凹むなよ...とか言われるかもしれない。
その程度の覚悟も出来ないでこんなことするなとか
思われたって...ショックだったものはショックだった。

主様に言わせてみれば...その瞬間に立って
冷静に判断できるのか?...らしいけど。
だから今聞くんだと言うのだけど。

いつ、どんな時だって。
主様との見える距離が遠くなる...
そんなことを冷静に判断しろと。
...そんな事が言える主様は恐ろしいと感じた。









ただ...今の自分を見直して思う。

そんなことまで冷静に判断できるようになった時点で、
私は...自分であることも終りのような気がする。

きっと、それは私が私で無くなった瞬間...。
日常が私から消え去った瞬間...。

2004年02月08日(日)
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