せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2002年10月05日(土) |
高校演劇地区大会・大田くんのお別れ会・「HAPPY END」稽古 |
竹の塚センターのホールへ、高校演劇の城東地区の地区大会を見に行く。 今日は、母校の小松川高校の上演がある。 電車の乗り継ぎがうまくいかなくて、2時30分の開演に間に合わなかったらとドキドキする。 西新井の駅で、同じ演劇部のOBの小林くんが同じ車両の乗ってきて(すごい、偶然!)、少しなら遅れてもいいやと、開き直る。 15分遅れぐらいで着いて、「きっと5分や10分おしてるはずだから、まあ、いいわ」と上演中のホールに入ったら、なんと芝居は「30分まき」で開演されてたんでした……。 僕と小林くんは、芝居のおしまいが見れたんだけど、その後に来た、何人かのOBたちは、エピローグだけしか見られませんでした。 芝居は、「わすれなぐさ」というタイトル(脚本:高畑温子・羽賀瑛菜 演出:高畑温子) 先月、文化祭にも見に行ったので、今日は二度目。 あの「ウィンズ・オヴ・ゴッド」の「女性版」のようなお話で、現代の女子高生が第二次大戦中にタイムスリップしてしまうというもの。 あちこちで、それはどうよ?というところが、ややあるんだけども(たとえば、戦争中の人たちが、なかなか「昔の人」に見えない」とかね)、それはそれでいい。文化祭の上演の後、現役のみんなには、「楽しんでやっちゃえばいいから!!」とだけ言ってきたんでした。あ、うそです。細かいこと、いろいろ言いました……。 今日の上演は、最後の「現代に戻ってこれる」って話になってくるあたりからを見たんだけど、前回に比べて、みんなとてもしっかりした芝居をしていたと思う。 やっぱり体育館のステージと、こういうちゃんとしたホールでは、声の通り方が全然違う。 ラストは、現役の部長のまいこちゃんの一人ぜりふで終わる、なかなかしぶいかんじ。こないだは何を言ってるのかよくわからなかったのに、今日は、きっちりしゃべって、ぼくはついほろっとした。 タイムスリップしてしまった仲良しの女子高生二人、しおりと幸子が、それぞれ当時の(戦争中)の男の子を好きになって、その子は死んでしまって、さあ、現代に戻ってこれるってことがわかったんだけど、そのために必要な、現代の「セーラー服」をしおりは燃やされてしまってるため、帰っていくことができない。一人を残して、現代に戻った幸子は、戦争資料館で、自分のと同じネックレスを見つける。それは、もう忘れてしまったorありえない現代に、しおりと二人で一緒に買ったものだった。 こんな話なんだよね(ごめんなさい。すごい簡単にまとめました……)。 これを、総勢12人(うち男子3人)で演じる。 オープニングに現代の女子高生がわらわら出てくるだけで、「わあ、いっぱいいる!」ってかんじがうれしくってね。 何しろ、みんな、僕が高校卒業してから生まれて子たちだから。 終演後、彼らは、着替えをロビーでしてる。あれこれとおしゃべりを。 その後、彼らは、きちんと次の上演校の舞台を見に客席に行く。 僕も現役の頃にはやってたことなんだけど、「えらいよねえ」と思ってしまう。 ので、僕らOBも客席へ。 女子聖学院高校の「高校演劇の作り方」。 弱小演劇部の新入部員ゲットとその後についてのどたばた。 ケラケラ笑いながらも、僕は、通路を挟んだ前の列に座ってる小松川の子たちの後ろ姿がかわいくってしかたなかった(笑)。 いい結果が出るといいね。
その後、僕は、西日暮里へ出て、古い友達、大田リョウちゃんとのお別れ会へ。 大田くんは、90年代のパレードを知ってる人は、覚えてるかもしれないな。 モヒカンの頭でいつもトラメガを持ってた、イカしたお兄さん。 彼が、ガンで亡くなったという知らせを受けたのは昨日の夜だった。 末期のガンで入院してるという話を、エリツィン経由、マミーから聞いたのが一昨日の夜。 あっというまだった。 大田君のお別れ会は、「香典禁止、喪服禁止」のとても明るい集まりだ。 会場の会館の前には、「いらっしゃい、2階へどうぞ」という大田くんの写真とコメントが貼ってある。 たくさんの人が、お酒を飲んで、おしゃべりをしてる。 ほんとにひさしぶりのエリツィンと会って、いろいろ話す。 「パレードに来てほしかったんだよね」という話も。 ほんとに急な進行だったんだって。 エリツィンは、彼のずっと近くにいたんだけど、どうやって連絡していいかわからなくて……と言ってた。だいじょぶ、カマタくんやハジメがちゃんと連絡してきてくれたよ。いいな、友達ってって思ったよ。僕が死ぬときには、どんななんだろうとも思った。 差し入れで持ってったビールを大田君の前で一本飲み干して、失礼した。 稽古場へ向かう電車の中で、ふと、自分の手を見てしまった。 昼間、出しなにちょっとだけ見た、教育TVでやってたお能のシテの人の皺だらけの手を思い出した。 別に「じっと手を見る」ってわけじゃないけど、昔の僕の手は、こんなじゃなかったよなあ、なんてことを考えた。
今日の稽古は、基礎トレとエチュード。 なかなか、本調子になっていかなくて、ちょっとじれてしまう。 こないだのライブで使ったウィッグを返しに郡司くんが来てくれる。 わざわざどうもありがとね。 稽古場に、「HAPPY END」のフライヤーを持っていって、みんなに見てもらう。 真っ赤なバラのような毛布にくるまれた男の子のイラスト。いつもにましてエッチなかんじ。 明日はDMの発送作業。 僕は、台本の「しかけ」のたくらみをもう少し練らないと……。
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