せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年08月19日(木) |
歌舞伎座「納涼歌舞伎」第二部「蘭平物狂」「仇夢」 |
家にいても何もできないので、出掛けることにする。 ていうか、ほんとにどうしよう? 今、パソコンの買い換えは正直つらい。ていうか、できない。 歌舞伎座の「納涼歌舞伎」を見に行く。第二部「蘭平物狂」「仇夢」。 「蘭平物狂」。記憶にあった、豪華な立ち回りは、なんだか思ってたほど、派手じゃなくて、やや期待はずれ。蘭平の三津五郎さんが、あんまり動いてないような気がしてしかたない。まわりが動き過ぎてるってことなのかな? 立ち回りってそういうものなのかもしれないけど、なんだか成立してないような気がする。 前半の物狂いの場面、刀を見ると乱心するっていうところとか、息子に対する思い入れとかの方がずっとずっと見応えがあった。 「仇夢」。北條秀司さんの台本の舞踊劇。花魁(太夫)に恋した狸の話。 舞踊の部分が思ってたより多かった。 狸でありながら、太夫に恋してる勘九郎さんがいじらしくて、よかった。四の切りの狐忠信を彷彿とさせるかんじ。 場面の転換や、捕り手?の染五郎さんたちの踊りが、とっても「研辰の討たれ」のようで、野田歌舞伎を彷彿とさせる。 踊りの師匠に化けて言い寄る狸の話だよねと思って見てたら、本物の師匠に「いっしょにはなれない」と言われる太夫の切なさが、いつのまにか立ち上がってくる、見事な台本。 大向こうから、「ごりょうにーん!」「おーみーごーとー!」と間の悪い声をかけるおばさんがいなかったら、ぜひもう一度みたいんだけどなあ。なんだか、一気に「横取りされた」気分でがっかりする。
帰り、思いつきで、銀座四丁目からバスに乗る。 「業平橋駅行き」。ここはどこ?な町をずっととおっていく。 築地、勝ち鬨、月島、この先はもうどこを走ってるのか、何もわからない。方向感覚もまるでなし。 月島はお祭りなのか、バス停に浴衣姿のおばちゃんが数人。なんだかとっても粋な浴衣だった。 木場の駅前まで来て、ようやくなんとなく見当がつくようになった。菊川で降りようかと思ったんだけど、結局業平橋まで乗ってしまう。 総武線の高架をくぐる手前が、トシくんの住むマンションだと判明する。 業平橋の駅前は何もない。何か読むものがほしくて入った古本屋で、井上康生敗退のテレビ中継を聞いた。
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