*未完成のお城*

2002年10月24日(木)  それはホンモノ?

催眠術…あるいは自らの強い思い込みで誰かのことを好きになったら。
それは本物の「好き」ですか?
…何が『嘘』の「好き」ですか?
そうやって生まれるものは恋にはなりませんか。

誰かに背中を押されたがっている。

自分の意思ではいつまで経っても此処から動けやしない。

誰かに名前をつけてもらって、
誰かに背中を押されて、
誰かに許して(…赦して…?)もらってからじゃないと。

ヒトノセイニシタイノ?

辛いのは何故なのか。
あの人だけを好きでいて、ずっとそれが続いていて、
その過ぎた日々は決して嘘じゃない。
ホンモノしか詰まってない日々。

ニセモノはホンモノになれますか。
ニセモノはホンモノに勝てますか。
…勝ち負けでは、ないのですか。

恋に執着する自分は嫌いだ。

今は貴方以外があたしの心を揺さぶることも嫌いだ。

本物になれないものは、「恋」になれないのだろうか。
「好き」にはなれないのだろうか。

疑問と不安ばかりが渦巻いて、足が竦む。

いつか叶うなら、そうならあたしはずっとずっと此処にいるのに。
それは決してあり得ないから、だからこんなに苦しい。

貴方への恋から逃げたあたしは、幸せになれますか。

変化を恐れない、強い心が欲しい。

***

「hinaseサンってカレシいないの〜?!」
「え。何、いないよ。何で?」
「絶対いると思ってた!うっわ〜、意外〜」
「いたことないよ〜(笑)」
「またまた〜。それは嘘でしょ(笑)」
「や、ホントだって。あー。っぽいのならひとりいたけど」
「何、その『っぽい』って(笑)」
「カレシ未満ってゆーの?(苦笑)」
「あぁ、そういうのが過去に何人もいたのね。ナルホド〜」
「なっ!(笑)何人もいないよ。ひとりだって。…ひとりだけですー」
「へぇ〜?(笑)…オトコ、切らしたことなさそうなのにね」

何気ない友達との会話。
最後の言葉に驚いた。
そんなこと、言われたことない。

カレシいそうな顔してんのかな、あたし。
それって一体どういう顔?

よく分かんない。

あの人を思い続けていることが、
あたしにそういう顔をさせているのであるとすれば、
あたしのこの恋は決して不幸なものではないような気がする。

どうにもならないこの恋を正当化したいわけではないけれど。

***

怖いの?

変わっていく心が。

哀しいの?

過ぎていく時が。

苦しいの?

この恋が。

何処に行くの?

あたしは。

***

終わることを願っているわけではない。
絶えることを望んでいるわけでもない。

始まりを祈っているだけ。


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hinase