「男の子みたいな付き合い方してるよね」と、言われたことがある。 “コイビト”に対する態度が、まるで男の子の其れのようだと。 よく分からなかった。 “カレシ”からの突然の呼び出しより、『先約』を優先するのは当然じゃないの? 「あっち(カレシ)といるよりこっちにいた方が楽しいから」と言うと、 その子は決まって変な顔をした。 「可哀想だよ」とも言った。
呑み会からの帰り道、その子の家に泊まることになった。 その子の誕生日が8/6だと知って、涙が零れた。
「ふぅん、hinaseもちゃんと女の子じゃん」と微笑まれた。
ほわん、と心の奥が暖かくなって、またじわっと涙が溢れた。
「すごく好きな人なんだね。でも、…じゃあ、Sは何なの?」
と訊かれた。
…何なんだろう? そんなの、あたしが決めることじゃないと思ってた。
こんなあたしを好きだと言ってくれたから、頷いただけだ。
そう言ったら駄目なことは分かってたから、分からない、と答えた。 分からないことだけは分かってた。 最初から、最後まで、ずっと。
“カレシ”とちゃんと別れた後に、その子に言われた。
「今度はちゃんと、hinaseが好きになった人としか、付き合っちゃ駄目だよ」 「あんなに可愛い顔できるんだから、新しい恋もちゃんと出来るよ」 「男の子みたいだって思ったのは、hinaseが恋してなかったからなんだね」
ふわんと心が暖かくなって、ちくりと胸が痛んだ。
恋って難しいね。 みんな凄いね。 “好き”と“嫌い”で毎日忙しそうだった。 その子も、彼氏サンの話をしてる時、凄く可愛かった。 あたしにも、貴方以外にそんな顔をさせる誰かが早く現れればいいのに。
ずっと待ってる。 自分からは動かずに、同じ場所で、ずっと。
今度は差し伸べられた手を振り払わないように。
***
矛盾したことばかりを書いている自覚はある。 混乱してるのはあたしだって同じだから、仕方ない。 “次”に進みたいのは本音。でも、進むのが怖い。 変わるのが怖い。でも、変わりたい。 でも、ひとつだけ分かるのは、あたしの気持ちは変わらないというコト。 もし、貴方以外の人を好きになっても、貴方のことも好きなままだ。 貴方を好きなあたしごと、好きになってくれる人じゃなきゃ駄目かもしれない。
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