嫌いなものへの意思表示は酷く明確だ。 他人には厳しくて、自分には甘くて。 甘やかしてばかりいる。
わかってるけど。
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・職場の愚痴を言う人が嫌い 自分で望んでその職に就いたのに、後ろ向きな愚痴ばかり言ってる人が嫌い。 バイトとかではなく、きちんと自分の望む職へ「就職」してるくせに。 自分が望んでいる場所なはずなのに、どうしてそんなに不満なの。 慰められたがりな貴女の相手をしている余裕、あたしにはないんだけど。 酷く冷たいと分かってはいても、そう感じる本音は止まらない。 どんどん冷めた目で、貴女を見る自分を俯瞰で見下ろしている、今。
・自分が「普通」とは違う、という人が嫌い。 普通を馬鹿にする人が嫌い。 それ(普通でいること)がどんなに大変なのか、分かりもしないくせに。 そんなに「自分は他人とは違う」って認めさせたいの? 自称「毒舌魔」な人も嫌い。だからなに?って思う。 優しくなれないだけじゃないの? 刺々しい言葉しか発せられない哀しい自分を認めたくないだけでしょう? 「普通」からはみ出してしまうと、なかなか其処へは戻れない。 みんな「普通」なんかじゃない。ひとりひとりが、ちゃんと個々なんだ。 その個々が、寄り集まって「普通」の顔をしている、だけ。 それが出来ないはみ出し者が、それ(普通)を笑うんだ。
・他人を見下す人が嫌い。 言葉に出さなくても、そう態度で示す人が嫌い。 自分は違うんだ、って言ってる人。「頭悪いな、アイツ等」って言ってる人。 どうして自分と関わりの無い他人に其処まで悪意を向けられるんだろう。 「馬鹿なヤツだ」と他人を蔑むことしか出来ない自分を、どう思うのだろう。 そういう自分を哀れに思われることも、きっと酷くプライドに障るのだろう。 かくいうあたしは、可哀想な人、と同情してしまう自分に溺れないようにしなければならない。
・恋をしろと急かす人が嫌い。 恋をしなくても生きていける。 寄りかかれる誰かが欲しい時もあるけれど、寄りかかられる強さがまだ無いから。 出来るなら、50・50の相手が良い。 同じ分だけの気持ちと熱を返せる人が良い。 強い執着も、雁字搦めの束縛も、同じ量の想いの相手にしか返せない。 貴方以外には。
・与えられた責任を、楽しんで全うしようとしている人が好き。 不安を感じても、不満を持っていても、その中で足掻こうとしている人が好き。 あたしにはない強さを感じるから。 真っ直ぐ立とうと踏ん張る人が好き。 弱くても、挫けそうでも、自分の足で前に進もうとしている潔さが良い。
・なりたい自分に成れないと嘆くだけではなく、なりたい自分に成ろうとしていたい。 立ち止まってばかりいるんじゃなくて、後退りしても、足踏みしていても。 真っ暗な眩しい未来を見据えていたい。 遅くても、少しずつ自分の力で前に進めるように。
・間違えても間違えても、諦めない強さを。 100%正しいなにかなんて無い。 どんなことにも少しずつの嘘は含まれているのだから。 全ての人にとって「間違いの無い完璧ななにか」なんて無い。 民主主義の法則で、全ての尺度は作られているのだから。 「その他大勢」に埋もれない、自分だけのなにかを持ちたいと希(こいねが)う。
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DNAや網膜のそれのように、誰ひとり「同じ」ではない。 みんな其々が別の固体で。 混ざり合えないから、他人の熱を愛しいと思う。
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恋をしろ、と言われているうちは冷め切ったままだと思う。 恋をしたい、と自分から思わなければ駄目なのだ。
その日はいつか来るんだろうか。
いつか いつか と、あたしはどこかでその日をとても待ち侘びているのかもしれない。
あたしの知らないあたしが現れるその日を。
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待っているだけでなにもしない。 待っているだけでなにも出来ない。
幾度となく振り離した手。
捕まるのは怖い。
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