*未完成のお城*

2003年05月14日(水)  霧散

やっと見つけたのに また  何処かへ旅立ってしまったらしい。
潔いほどのその旅立ちに ただ ただ 呆然とするばかり。

やっと見つけたのに。
やっと恒間見えたのに。

何処へ行ってしまったのだろう。

眩しすぎる あの言葉たちは。
音楽を奏でるように 言葉を紡ぐ あのひとは。
やさしくて かなしくて いとおしい あの日々は。

また ひとりきり 取り残されてしまった。

また 出会えるだろうか。
また 触れられるだろうか。

そればかりを考えている 今。

***

終わりを感じないで 君と一緒にいたい。
来年の今頃ならば そう出来ているだろうか。

同じ飛行機に乗って
同じものを観て
同じ部屋に泊まって
また 同じ飛行機に乗って 『帰る』。

そう 出来ているだろうか。

今は切ないね。
すぐ傍に 終わりが見えているから。

今は哀しいね。
離れ離れになる瞬間が もうすぐ傍に 見えているから。

だけど 少しだけ慣れた。

別れの瞬間
搭乗口に消えていく背中
ひとりきりのバスの中

慣れたのに
やっぱり いつも 少しだけ泣く。

この悲しみも
来年の今頃には
懐かしい痛みに変わっているんだろうか。

答えのない問いかけばかりが増えていくね。


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