*未完成のお城*

2003年06月07日(土)  「世界がもし…」

偽善でも、流す涙は届くのだろうか。
奇麗事でも、痛む心は届くのだろうか。

世界中の食べ物は、等しく分ければ全人口に渡ると何処かで読んだ気がする。

何故、そうならないのか。
何故、そうできないのか。

有り余るほどの『飽食』日本に生まれて
穏やかに過ぎていく日々に、それでも不満や苛立ちを覚えて
鬱屈とする自分が『今』『此処』にいる。

恵まれている?
恵まれているんだろう。
単純に『比較』してしまえば。

今、この環境にいるのは言葉では言い表せないそれこそ『運』みたいなものだろう。

もしかしたら、別の国で生まれていたかもしれないし
もしかしたら、『ひと』でさえなかったかもしれない。

そんな、今更どうしようもない『もしかしたら』を考えてどうするの?

感謝する?
普段はそんな感情、一瞬でも覚えないくせに?

『あの子たちより、自分は恵まれた環境にいるんだから、感謝しないと』

なんて
そんなことを彼らに面と向かって言えますか?

どうしたらいいのか分からない。
どうにも出来ないんだろうけれど。

微温湯の環境で
ただ、穏やかに過ぎていく日々を
『幸福』だとは思わずにいる自分は

どうしようもないほど愚かだ。

***

伝えられる言葉も持っていない。
ひとは無力だ。

『テレビの中だけのこと』

そうだったらいいのに。

突きつけられる『映像』から目を逸らしたい。
でも、知らないままでいるのは嫌だ。

吐き気がするほど甘ちゃんな
そんな自分を知るために。

***

奇麗な水を飲むことが出来て
好きなものを食べることが出来て
暖かい部屋があって
愛しい家族がいて
大切な友人がいて
穏やかに過ぎる毎日

自分にとっての『当たり前な世界』が『当たり前じゃない世界』なんて、想像できる?


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