*未完成のお城*

2003年06月11日(水)  もう、戻らない。

もう、手を伸ばしても届かない。
ギリギリまで手を伸ばしても、もう届かないから。
闇の其処へ真っ直ぐに堕ちていくだけ。

悪足掻きも結局、無駄でしかなくて
重く昏く引き摺る感情だけがあたしの中に残って
目に見えなくても致命傷を負った心だけが血を流し続けて

泣いても戻らない
喚いても戻らない
叫んでも戻らない

だから、前にも言ったじゃない。
「要らない」のはあたしなんだよ。
しがみ付こうとしたって無理なんだ。

もう「本当」なんて誰にも届かない。

もうあたしの望んだものは戻らない。

それがなんだったのかなんて、きっと誰にも分からない。
それがなんだったのかなんて、絶対誰にも教えない。

誰にも。

だけど
こんな思いをしてるのに、笑えるよ。
だから あたしのことは 放っておいて。

静かに静かに 感情だけが 死んでいくような 感覚。

手に入らないのなら、なにもかも全部、要らない。


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