*未完成のお城*

2005年03月17日(木)  リミットが近づく。

「あたし」が傷つかないように
視線を逸らし続けた
「あたし」が凹まないように
意識を逸らし続けた

ふたつくらい壁を隔てて
声も影も遠くに追いやって
優しい温もりを独占しようとした

いや、独占しようとしている、んだ

暖かい言葉
甘やかす言葉
あたしを上手に持ち上げる言葉

独り占めにしようとした
いや、している

計り知れないその存在の価値の重さを
重要さを
貴重さを

当たり前のように甘受して
踏みつけるように無視するのなら

あたしの声ももう届かないのなら

差し伸べていた手を翻し
注いだ言葉もせき止めるよ

必要ないなら
必要ないでしょ

あたしには必要なの

その声も
その言葉も
その存在も

熱を感じるそのすべてを

奪いたい、と思った狂気。


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