「あたし」が傷つかないように 視線を逸らし続けた 「あたし」が凹まないように 意識を逸らし続けた
ふたつくらい壁を隔てて 声も影も遠くに追いやって 優しい温もりを独占しようとした
いや、独占しようとしている、んだ
暖かい言葉 甘やかす言葉 あたしを上手に持ち上げる言葉
独り占めにしようとした いや、している
計り知れないその存在の価値の重さを 重要さを 貴重さを
当たり前のように甘受して 踏みつけるように無視するのなら
あたしの声ももう届かないのなら
差し伸べていた手を翻し 注いだ言葉もせき止めるよ
必要ないなら 必要ないでしょ
あたしには必要なの
その声も その言葉も その存在も
熱を感じるそのすべてを
奪いたい、と思った狂気。
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