夢三昧
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2007年04月14日(土) 柳家花緑の「子別れ(通し)」

花緑まつり 柳家花緑の「子別れ(通し)」 上野鈴本演芸場 夜の部17:30開演 ろ列

出演

台所鬼〆
三遊亭小円歌(三味線漫談)
五明楼玉の輔
柳亭市馬
林家たい平
翁家勝丸(太神楽曲芸)
春風亭小朝
林家正蔵
桂三枝(サプライズ)

お仲入り

柳家花緑
『子別れ』上/強飯の女郎買い 中/子別れ 下/子は鎹


久しぶりの鈴本ということで緊張して御徒町に着きまして、ちょっと迷子に・・・。
人の波に流されて反対方向に行ってしまうところでした。
方向音痴は治りませんね・・・。

土曜日ということもあってか既に満員御礼。
開演直後から立ち見もずらっといらっしゃいました(驚)

開口一番は、二つ目さんの台所鬼〆(だいどころおにしめ)さん。
花緑さんのお弟子さんで、前座の頃は「花ごめさん」だったかたのようです。
初花(しょっぱな)さんと交替出演とのことでしたが、台所鬼〆さん、とても元気があって、お上手でした。
馬鹿の与太郎のお話で(笑)、多分『金明竹』というお題だと思われます。
わかりやすく爆笑できる噺ですが、テンポも良く、とても好感が持てました。
頑張って欲しいです。また観たいです♪

小円歌さんは、美人で粋なお姐さんでした。
以前にも拝見しているような・・・・・(うろ覚え)
ラップのような三味線漫談は、酸素不足で倒れそうになるとおっしゃった意味がよくわかりました(笑)
現在日本で女性お二人だけ。
落語会のトキだそうです・・・・・・・。

玉の輔さんは、陽に焼けた男前で、ちょい悪な感じがしました。
わたしは席が端っこだったので、高座にあがるために出て来られるときと帰って行かれるときのお姿がとてもよく見えたのですが、ちょっとふてくされたような歩き方をされるかただなぁ・・・と思いました(苦笑)
噺は、、、病院でお医者さんが看護婦さんと告知の練習をして、いざ患者さんに告知をして、最後は看護婦さんにプロポーズの返事を聞く・・・というような創作落語なのでしょうか?そのような現代的な噺でした。
面白かったです。
ガンの告知に患者さんが耐えられるかどうか、前もって血圧を計りながらガンが想定できるような言葉を言って、血圧が上がらなかったら告知するというのですが、血圧を計りながら言う言葉というのが「ガンモドキ」とか「依願退職」などなど・・・(笑)
結構好きでした。

市馬さんは、なんだかとても温厚そうな、素敵なかたでした。
声に厚みというか深みがあって、ちょっと色っぽい雰囲気もありました。
有名な噺ですが、初めて『子ほめ』を聴くことができました。
気持ちよく、たくさん笑わせていただきました☆
(このあたりから、高座にあがられた瞬間客席から大きな掛け声があがるようになりました!)

たい平さんは、テレビで観るよりスリムにみえました。
まくらから当然面白いことをおっしゃるのですが、どこか不機嫌顔にみえました(笑・ホントに腹黒いのかな?)
『あくび指南』
あくびを習いに行くのです。
春夏秋冬のあくびがあって、かなりの演技力が必要でした(笑)
笑点でお馴染みのたい平さんも、なかなか面白かったです。

勝丸さんは、スラッとして若々しく、大変人の良さそうな、小奇麗なお兄さんでした(笑)
客席から毬を投げてもらうのに選んだのが4〜5歳くらいの女の子で、まったくうまくゆかず、とても困っていらっしゃいました♪
よく失敗されるのですが、これがわざとなのか、本当に失敗してしまうのかは、見抜くことが出来ませんでした(苦笑)
ちょっと頼りない感じがしますが、とっても好感の持てるかたでした。
また観たいです!!!

小朝さんの噺は奇妙な噺でした。
こうもりが、鶴の恩返しみたいにやって来る噺。吸血鬼の噺です。
ちょっと怖かったです・・・!あまり好きな噺では無かった・・・。
ダジャレのセンスも、あまり好みでは無かった・・・。
でも、やっぱりお上手だとは思いました。
けど、なぜか突然集中力がなくなり、最後までボーーーッと聴いてしまいました。
ドウモスミマセン。。。

正蔵さんは、花緑さんがとにかく大好きだとのことで。
大好きだ大好きだと何度も何度もおっしゃって。
とても素敵なかただと思いました(爆)
家族の次に大好きで、何かあればすぐに電話してしまったり、一緒に食事をされたりするそうです。
まるで弟が自慢のお兄ちゃんの話をしているかのようでした。
(注:もちろん花緑さんのほうが年下です!)
正蔵さんの噺も創作モノなのでしょうか?
古典落語にはよく出て来る妖怪モノではあったのですが、可愛らしい豆腐小僧が主役で、妖怪なのに誰にも怖がられなくて悩んでいる豆腐小僧で、悩みを話すときに音楽と照明が入り(笑)、それが「ヒロシです・・・」なのでした♪
こういうのもアリなのね〜〜〜。

で、本来ならここでお仲入りなので、すぐにトイレなどに立つ人もいらっしゃったのですが(わたしもお弁当を食べようと開きかけていました)、めくりを見てビックリ!
三枝・・・・・・・・????
客席は拍手喝采の渦となり、「いらっしゃ〜〜〜い」の声までかかりました(笑)
「さき言われてしもたわ」みたいなことをおっしゃった三枝師匠。
やっぱり華がありますね。パッと高座が明るくなりました。
噺は何やら夫婦の川柳を題材にされたもので、「妻の声 昔トキメキ 今動悸」みたいなアレを何句か使って何だかんだとおっしゃってましたが、よく覚えていません(爆)
三枝師匠も花緑さんの『子別れ(通し)』が聴きたかったのだということがとても嬉しく、すっかりテンションが上がってしまったのでした。
師匠が高座を終えられたとき、出口にいっ平さんのお姿もみえました。
楽屋はさぞかしにぎやかなことになられているのだと想像がつきました。
やっぱり「花緑まつり」なのですね。
お祭りです♪♪♪

ここまでで2時間でしたが、腰も背中も痛くなる暇も無かった2時間でした。
さあ、いよいよ花緑さんの1時間半の長編、『子別れ』ですが・・・・・☆

もう、長々語るまでのこともありません。ひとことだけ。
ただただ夢中で観て、夢中で聴いていました。
いつものことですが、たくさんの登場人物の姿がはっきりと浮かび、まるで自分もその時代に暮らしているかのような錯覚に陥るほど、いろんな情景までもが目に浮かぶのでした。
後半は涙。終わっても涙。電車に乗っても涙。嬉し泣き、感動泣きです。
どんどん大きくなっていかれる花緑さんを、なんとしても、いつまでも、どこまでも観たいものだと、胸いっぱいに想うのでした。

余談ですが、花緑さんのお弟子さん情報を。
二つ目さんは、初花(しょっぱな)さん、台所鬼〆さん(前座時代は花ごめさん・師匠より年上!)、花ん謝(かんしゃ)さん(前座時代は緑太さん)の3人さんです。
そして、先日の赤坂で気になっていたかたは、緑君(ろっくん)さん。
なんと1990年生まれの17歳とか。美形?です(笑)
その下に緑君さんより8歳年上の花いちさん。
以上が現在の柳家花緑さん一門だと思われます。
今回、初めてお弟子さんである台所鬼〆さんの落語を聴いて、ぜひ、他のみなさんの落語も聴いてみたいと思いました。

この日、客席にはお子様も少なくなく。
大人が笑わないところで笑い声が響いたりして、なんともほのぼのと嬉しい気持ちになりました。

みなさんも、ぜひ、ぶらっと寄席に遊びに行かれては如何でしょう〜〜〜♪


夢路 |MAIL