Diary
沙希



 わたしの翼。

わたしの翼を返して。あの空は遠すぎる。どんより雲に汚されてく空。手を伸ばす。届かないこと知ってる。わたしの背には羽根がない。ズタズタに引き裂かれた心はトテモトテモキレイでした。わたしの心は無傷ですから、それはそれは汚れているのです。もっと純粋だった気がするけど、もっと儚かった気がするけど、きっとスベテは幻想で、きっとスベテは錯覚で。今わたしが感じているどうしようもない嫌悪感とか、無力感とか、苦痛とか、きっとそういうものが現実なのでしょう。昨日はトテモ幸せでしたよ、それはそれは幸せでしたよ。あなたの腕の中にいることができて。もっともっとずっとずっとあなたの腕の中に居たかったけれども。あなたの心はトテモ温かかったですよ。わたしの氷は溶けてしまってなんだか上手くわたしでいることができなくなっちゃいましたけどね。正しく笑うことができないんです。この心では。神様はわたしの中のダイヤルをめちゃめちゃに回して、わたしのリズムを狂わせる。あなたはそれはそれは神聖な手でもってわたしの心を握りしめる。痛いのが幸せ。居たいのが幸せ。もう羽根は要らないってさっき天に言ったけど、訂正。早く翼返してください。それはわたしの翼なんです。それがないと帰れないんです。知っているとは思いますがね。イツカラでしょうか。イツカラわたしはココに在るのでしょうか??きっとわたしがわたしだと思ってるものなんて不確かで、1秒ごとに違ったものに変化して行っているのでしょう。きっとわたしはいっぱいいて。どれもスベテホンモノで。どれもスベテニセモノなんです。だけど離さないで。わたしはわたしなんです。あなたが見ているわたしはきっとわたしの中のわたしとは違うでしょうね。でもそれもわたしなのです。ねぇ、教えてください。あなたは昨日わたしの中でどんな夢を見ましたか??わたしには白が見えました。あなたの腕の中でわたしは白を見ました。それは酷く美しい白でした。絵の具なんかよりももっと白かったのです。今、あなたはココにはいなくて、わたしの目にはなにも映りません。黒でも白でもないのです。また灰色でもないのです。広さも狭さもありません。なにもないのです。だからわたしはまた翼を必要としています。早く返してください。わたしの翼を・・・。

2002年02月17日(日)
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