Diary
沙希



 死と死と死と。


またまたばたばたしていました。

ありゃりゃぁー…って具合に

イロイロなことがおこりまくって

頭の中ごっちゃごちゃだったりもした。


先日祖母が亡くなりました。

あたしの前からいなくなりました。

いつも祖母がいた場所に行ったとしても

もう二度と会うことができなくなりました。

それが事実。そして現実。

死んだ人間にはもう二度と会うことができない。

そんな当たり前の事柄が

実際目の当たりにしてみないと

本当の意味では理解していなかったのだと

そう思い知らされる。

今までに幾度かその事実を理解したはずなのに

時が経つにつれてリアルではなくなっていることに気づく。



祖母の家は家から歩いて5分ぐらいで

足の悪かった祖母は外を出歩くことができなくて。

なのにあたしはもう半年以上も

祖母に会いに行くことをしなかった。

なんだかんだと理由をつけて…。

会うたびに、兄を褒め、あたしのことを叱っていた祖母。

嫌われている。あたしのことなんて見てくれない。

と最近ではずっとそんな考えしか持てずにいた。



やっと『会おう』と祖母が入院する3日前に思った。

なのにやっぱり決心がつかずに足が向かなかった。

そうこうしているうちにイキナリ祖母が入院する。

『もう危ない』と付き添った父と母から聞いた。

今までに何度も入院を繰り返して

それでもいつでも元気に退院してきた祖母。

今回だって大丈夫だ。みんなそう思っていた。

ほんの少しの悪い予感を胸に抱えても

あたしの中にもやっぱり『大丈夫だ』という思いがあった。

なのに。

入院して3日。祖母の病状は急変。

一人でうちにいる時に電話が入る。

父がくるのを待って病院へ向う。

不安。焦り。不安。不安。不安。

二人で急いで階段を上る。

ICUへ向う階段を上る途中で担当のお医者さんとすれ違う。

『先程亡くなられました…。』

痛すぎる事実と現実と。


祖父と叔母と親戚と父とあたしと…。

病院の待合室。

もう少しで零れ落ちそうな涙を

なぜか必死で我慢していた。

泣いちゃイケナイなんてそんなこと

きっとなかったのだろうけれど。


しばらくして母が到着して

告げられた事実に涙を流した。

泣くって一体なんなのだろうと

その姿を見ながらなぜかそんなことを考えていた。


それからまたしばらくして祖母に会った。

ゆっくりと手を伸ばし、頬に触れた。

もう動かない。だけどまだ少し温かくて。

生きるということは温かいことなのだと思った。

動かなくなった人間てなんなのだろう。

目も、口も、鼻も、脳も、内臓も。

スベテの機能が停止すれば人間は何になるのだろう。


死ぬことと会えなくなることは

ほとんど同じような意味だと思っていた。

でも全然違うんだ…。

会えなくてもどこかで生きていてくれるならば

少しは救われる。

だけど死んでしまっては…。


人が一人死んだところで何も変わりはないと

ホントにあたしはそう思っていたけれども

事実としてはそうかもしれないけれど

『何も』ではないんだ。

祖母の死は確実に

あたしの中に『何か』を残していったのだから…。


ちゃんとあたしのこと、認めて欲しかったよ。

あなたのことを見返したかったです。

兄よりもあたしのほうがすごいんだって

そう言わせたかったです。

自分勝手な後悔と自分勝手な望み。


でも今はただひたすら『ありがとう』かもしれない。

お疲れ様でした。

2003年07月17日(木)
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