Diary
沙希



 世界は幻なんかじゃない。


真夜中。
ふと目が覚めて。

『あぁ、あたし生きてるんだな。』

そんな実感。
今、この耳に届かなくても
あたしの心臓は鼓動を続ける。
今、なんの実感もなくても
あたしの肺は酸素を欲しがり続ける。

生きてる自分を知る。
そして、いつか死んでしまう自分を知る。
すると、1分1秒さえ愛しい。

酔生夢死な人生ではなく
確かな実感を持ってあたしは生きている。
確かにあたしは生きている。

未来や過去に目を奪われ
今、自らが立っている場所を忘れそうになるけど
それでもあたしは日常を歩んでいる。
確かな実感を持って。

世界は幻なんかじゃない。

あたしは幻なんかじゃない。

想いも、考えも、現実さえも
思い切り否定してしまえば
簡単に崩れ去るものだと思う。

だけどあえてそうではなく
あたしはスベテを受け入れたい。
否定したい想いも考えも現実も真実も。
有りのままのスベテをあたしは受け入れたい。

あまりにも汚れきった自分。
それでもキレイでいたいと思う自分。
誰かを傷つけてしまう自分。
それでも人に優しくありたいと願っている自分。
何もかもをひっくるめて
スベテを受けいれたいと思う。



2003年12月20日(土)
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