2002年05月04日(土) 幸せな記憶


中高6年間通い続けた塾に遊びに行きました。
全国展開の大手の塾だけれど、流石に田舎なので個人塾のような雰囲気を漂わせるのんびりとした塾。私はここで6年間勉強しました。

特に高3の長期休暇は、朝の9時から夜の9時まで自習室にこもって(主に数学の)参考書と格闘してました。塾の隣にはファミリーマートがあって、よくお友達と息抜きと称しておやつやご飯を買いに行って休憩所で食べていました。
休憩所といっても受付の一角に1つの机と4つの椅子があるだけで、そこの席取り合戦はなかなか壮絶でした。ご飯やおやつを食べ終わっても勉強する気になれない時は、お友達と一緒に受付の事務員の方と喋ったり、恋の話で延々と盛り上がったり、1つしかないパソコンでお絵かきをしたり(当時はインターネットなんていうハイテクなものは知らなかった)、講師の方と人生について語っていたり(受験という現実的に差し迫ったものがある時は、そういう壮大なことで悩んだりしがち)しました。
とても楽しかった。

当時私は、あんなにお友達が頑張っているのを見ていたにも関わらず、自分だけが苦しいと思っていて、自分だけが可哀想と思っていて、自分だけが努力しても報われないんだと思っていました。こんな田舎の土に埋もれて生きていくのは嫌だと思っていました。
「死にたい」とよく言っていました。「私なんて生まれてこなければ良かったんだ」と言っていました。私だけがそうやって苦しんでいるんだと思っていました。
お友達や先生は、そんな私を叱ったり励ましたり共感したりしてくれました。

私はあの頃の自分を思い出すと、限りない羞恥心に襲われます。
他人の気持ちを考えもせず、自分に拘泥して身動きが取れなくなっていた自分。
受験という壁に立ち向かえなくて、逃げたいとばかり思っていた自分。
プライドだけはいっぱしで、反面コンプレックスだらけだった自分。
それでも、私はあの6年間を否定しようとは思いません。私はそこで精一杯生きたのですから。


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