2003年10月05日(日)
倒錯した愛情
好きの反対は無関心とはよくいったものですね。
私は好きなものと同じくらい、嫌いなものに対して情熱を燃やします。 情熱を持って「私はそれがどのくらい嫌いか」を語ることができます。 村上春樹の「僕って自分では普通のつもりなんだけど、人からは変わってるって言われるんだ」というポーズの厭らしさについて語り始めたらそれだけで一日が終わってしまうくらいの情熱を持っています。 「子供や動物が好きな人間って『子供や動物が好きな私って可愛い!』って思ってるよね絶対」という話題で朝まで盛り上がったことがあります。
しかし、無関心なものについては「スターウォーズ?ああ人気あるよね」くらいしか言えません。特に心に触れるものがないから、情熱を持っていないのです。
好きなものと嫌いなものは、そのベクトルが逆の向きを指しているだけで、「心にひっかかる」という点においては全く同じなのです。
だから、すごく嫌いだったものが、何かのきっかけでとても好きになるということはあり得ることです。私の場合、椎名林檎がそうでした。 また、嫌い嫌いといいながら、つい柳美里の作品を読んでしまう(そしてムカつく)というのも、倒錯した愛情なんでしょう。
だから、自分が好きな作品を「嫌い」と言う人に対して「じゃ、見なきゃいいじゃん!」って言うのはやめてもらいたいものです。 多分その人は、あなたと同じくらい、その作品に対して情熱を持っているはずですから。
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