2004年01月01日(木)
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「海にイコウ」
部屋でゴロゴロビデオを見ていたら、
チーは突然立ちあがり、そういった。
「海・・っていったって・・・、今から?」
僕が恐る恐る聞くと、うん、と頷く。
只今夜の11時。
僕らの住む町から海へは、意外と遠い。
チーはたぶん、僕の彼女で、ちょっと変わってる。
たぶんというのは、告白したのがつい先週で、
しかも、「チー、付き合おう」
と、心臓バクバクの一世一代の告白に、
「おう」と、一言。
その後急に頬にキスしてきて、
まるで何もなかったかのようにビデオの続きを見始めた。
それっきり、特に変わった様子もない。
もう一度告白しなおそうと考えていると、
さっきの「海にいこう」発言。
何が何だかわからない。
けど、なんだかこれを断ったら、
ちゃんと向き合ってくれないんじゃないかなと思った。
ココはひとつ、腹を決めて。
「よし、いこう」
行こう発言した割には、ノロノロ用意をする彼女をせかし、
なんとか最終の電車に飛び乗った。
この方向の電車にのる人は、ほんとにまばらで、
車両はほぼ、貸し切り状態。
久しぶりに全速力で走ったなぁ・・。まだ息が乱れてる。
チラっと横のチーを見ると、さほど疲れた様子もなく、
ぼんやりと流れていく家の明かりを眺めていた。
ふと、僕の視線に気づいて、顔をあげる。
なに?と、僕の顔を覗きこむ。
ちょっと、ドキっとして、
いやいや・・とコトバを濁し、夜の景色に目をうつした。
チーと二人で、今から海を見にいく。
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