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■ 同じしょっぱい現実でも

知り合いの話。
18歳で4つ年上の人とできちゃった婚。
5ヵ月後、女の子に恵まれ、
その3年後にも、また女の子に恵まれた。
ここまでは、まぁよくある平凡な風景だ。
しかし、その2番目の子供は
無脾症及び両大血管右室起始症という
特殊な事情を抱えて生まれついていた。
複雑心奇形の子供とまだ3歳足らずの幼子を抱える若干21歳の母。
親も頼りにできる状態ではなく、頼る術は夫しかない。
疲弊していく若い2人。
そんなある日、
下の子が、強度の嘔吐と腹痛という理由で、救急車で運ばれた。
意識障害と血圧下降で急性腹症と診断され、緊急手術に入る。
開腹結果、胃破裂とわかった。
胃縫合するも、術中心停止し、低酸素性脳障害を併発してしまった。
半年に及ぶその後の入院。
胃破裂?
歪みがどうしようもないほど広がってしまっていた2人。
この入院中に2人は離婚し、夫は1人家を出て行った。

同じしょっぱすぎる現実の中で、
逆に強くなっていく2人もある。
子供の心臓に更なる欠陥が見つかって
「何で私たちばっかりこんな試練受けなきゃいけないの!」
と取り乱して泣き叫ぶ妻に
「俺達の試練じゃないよ。××(子供の名前)の試練なんだ」
と我に返らせてくれる夫。
医者も、
「この子は、お腹の中からこの心臓で生きてきたんです。
だから、この子にとっては何でもない当たり前の毎日なんですよ」
と諭してくれる。
今、この子は
心臓病ということがわからないくらい元気に成長している。

重度の病気を抱えている子供がいるというと、
それだけで、不幸なことだねと哀れむ人がいる。
確かにしょっぱい現実かもしれない。
が、
それで幸・不幸が決まるわけではない。
逆に強い絆になっていく夫婦だって、たくさんいるし、
もっと普通に
子供に病気があろうとなかろうと
多分変わらなかったと思われる夫婦もいる。
結局、
知り合いは、
子供が原因で、夫婦間に亀裂が生じてしまったようだが
それは言い訳に過ぎないんじゃないか?
と、辛く考えたりなんかした。

2002年10月03日(木)
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