| 2002年04月10日(水) |
しのびよってくるもの |
朝、会社に行くのにソファに座って着替えていたら、目の前数十センチくらいのところにポタッと落ちてきたものがあった。見ると足を広げた大きさが人の中指くらいの蜘蛛だった。
「わーーー!」っと思わず大声を出したら、蜘蛛は気配を察知したのか俊足をかっとばしてテレビの下に潜り込んでいった。 「こいつを生かしておいたら我が家に平穏な生活が再び訪れることはありえない」と思い、かなり腰が引け気味になりながら殺虫剤を撒く。テレビの下から横から上からいろんな方向から撒いてみる。そしたらテレビのうしろの壁から上に向かって這い出してきた。まったく弱った様子がない。相変わらずの見事な逃げ足である。そこで壁に向かってスプレーを噴射。ひるんで下に戻りかけたところに追い討ちをかけるようにさらに噴射。蜘蛛はだいぶ弱りながら自分が潜り込んだところと同じテレビの下から出てきた。そこをねらっていやというほど噴射。蜘蛛は殺虫剤でべとべとになりながらようやく息絶えた。
・・・そう、ついにこの季節がやってきたのである。バトルの季節。おれの住んでいる神奈川の田舎町、結構気に入ってはいるが唯一許せないのがこの家蜘蛛の存在である。やつらは巣を張らない。ものすごくすばしっこく、逃げ足も速い。しかもデカイ。今回闘ったのはおそらく子蜘蛛の部類であろう。親蜘蛛になると大人の手のひらサイズのやつもいる。そんなでかい蜘蛛でも逃げ足が異様に速く始末が悪いのだ。
やつらは音もなく忍び寄ってくる。まるで忍者である。益虫だというが、そんな益など要らない。絶滅してくれても誰も困らない。今回の蜘蛛は小さかったので、おれも勇気を振り絞って闘ったが、これ以上大きなヤツとはおれは闘えない。そんなときは嫁ちゃんを頼りにするしかない。といっても実際にヤツラを目にするのは年に1、2回くらいなのだが。
情けないと笑わば笑え(←もうヤケ)。でも苦手なものは苦手なのである。朝の蜘蛛は殺しちゃいけないというが、そんなことはかまっていられない。会社に行って同僚たちにこの話をしたら「うちのおばあちゃんは朝の蜘蛛はフトコロに入れるって言ってましたよー」と言ってるヤツがいた。なんとオゾマシイ風習だ。山陰のある地方の風習とのことだが。
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