つぶやける乙姫
辛口なのか、毒なのか・・・

2007年10月18日(木) ダンシングオールナイトおじいちゃん

お客さんにもいろんな人がおりまして、自分が欲しいものに関して、まったく知識のないままやってくる人もおります。


Tばたんが、お客さんがCDを探しているということでカウンターに連れてきた。


そのままTばたんは、パソコンを使って検索を始めるものの、そのお客さんはおじいちゃんで、欲しいCDの曲名も歌手名も覚えとらんという大物っぷり。







見つかるわけねぇ・・・(−−;)





おじいちゃんはしきりに、


「40年前くらいに流行った歌で、当時はす〜〜〜〜っごく売れたんだよ(嬉々)」


っつー話と、


「心にしみぃ〜〜〜るぅ〜〜♪」


という部分だけをひたすらに繰り返す。



乙「いやぁ〜。歌詞からは検索できないんですよねぇ。せめて歌手名とか、曲名とか分かれば、探しようもあるんですけど・・・(^^;)」

と断ってみるも、おじいちゃん


爺「探してくれよぉ〜〜〜(泣)」


と帰る気配ゼロ。


こりゃ困ったなぁ(^^;)と、



乙「ならせめて、もうちょっと別の部分を歌えませんかねぇ」


と言ってみるも、おじいちゃんは


爺「心にしみぃ〜〜〜るぅ〜〜〜♪」


を繰り返すばかり。
これではらちがあかんと、60年代の青春歌年鑑に出てる歌手名を伝えてみても、


爺「それっぽくもあるし、違うような気もするし…」


と、迷宮の奥へと歩んでいってしまうおじいちゃん(^^;)。
ちょっと間があくと「心にしみぃ〜〜〜るぅ〜〜〜♪」と口ずさみながら、記憶のラビリンスを歩んで行ってしまうので、こっちもなかなか気が抜けない(苦笑)。


さて万策つきたかと思われた瞬間、おじいちゃんがふとつぶやいた



爺「ダンシング・・・なんとかっつったかな〜・・・?」



おじいちゃん、いまなんと??

ダンシングなんとか?





・・・それはもしかして




乙「ダンシングオールナイトのことですか?」


思わずワシも言ってみた。するとおじいちゃん


爺「そうだそうだ!ダンシングオールザナイト!そんなのだった!!」





……オール「ザ」ナイト……(−−;)



定冠詞いらんわい。
気になるけど、まぁそこは置いといて(←元英語講師としての心の葛藤)。




乙「もんた&ブラザースですか?」

爺「あぁあぁ〜〜〜、そんなんだねぇ!」


喜ぶおじいちゃん。しかしワシにはさらに気になることが


乙「でもダンシングオールナイトなら、歌いだしは心にしみるじゃないですよぉ〜。『甘い時〜♪は〜ずむ心〜〜♪』ですよぉ〜」

と、ちょこっと歌ってみた。


瞬間、おじいちゃんの目がキラ〜ンと輝いた。


爺「そうだそうだ!それだよ〜!もうちょっと歌ってくれ!」


乙「『一夜の〜きらめき〜にゆ〜〜れる〜〜♪』」


真剣に聞き入るおじいちゃん。
そして歌はサビの部分にまで及んだ…。


乙「『ダンシンオールナイッ♪こ〜とばにすれば〜〜♪ダンシンオールナイッ♪嘘にそ〜〜まる〜〜♪』」





爺「それだ〜〜〜〜〜!!!」




おじいちゃん、大歓喜。


爺「そうそう!それそれ!心にしみぃ〜る〜〜♪」


いや、おじいちゃん、それは違うから(^^;)
聴いてるんだか聴いてないんだか。

そらもちろん小さな声で歌っていたのですが、そこまで興奮されるとは思ってもいなかったので、ワシ正直ビックリでしたわ(^^;)

そんなこんなで、おじいちゃんはCDの取り寄せをすることになったんですが、困ったことはそのあとに起こりました。


取り寄せのために予約票に名前を書こうにも、すでに目がちょっと不自由になっているようで、ワシが代わりに書いていたのです。
しかし、電話番号を聞こうとしても、名前を聞こうとしても、それに答えるよりも先に



爺「お嬢ちゃん、もう一回歌っておくれよ〜〜」


…………え?(−−;)


乙「いやいや、もう欲しい曲は分かったじゃないですか。歌う必要ないですよねぇ?」


と言っても、今度はおじいちゃん


爺「歌ってくれなきゃヤダ!」



おい、おじいちゃん、そりゃないだろ!

果てはおじいちゃん


爺「お金払うから、歌っておくれよ〜」



おひねりかい!!


そりゃ金くれるなら歌ってもいいかなと、思わないことはないけれども(←ちょっぴり本音)、なんで売り場のカウンターで歌わにゃならんのかい!

周りでは他のバイトの子がクスクスと笑い出す始末…。ううう…。


乙「いやいや、本当にムリですから(^^;)勘弁してくださいよ」


と、説き伏せようとしたものの、おじいちゃんは粘りに粘り、

結局…





歌いましたよ!!





二回も!!!







ううう………。



何か大事なものを失ってしまったかのような感じだわ(涙)。


おかげさまで、大満足でおじいちゃんは帰って行ったけれども、なんかガックリと疲れたわ(^◇^;)あうあうあ〜〜〜。

っつか、そもそも40年も前じゃないし、あの歌!
読むとさらっとしているけれども、実質おじいちゃんとの会話に一時間も費やしちゃったんだから、その会話のテンポの悪さは推してしかるべき・・・(^^;)



今度はワシのいないときに引き取りに来てくれるといいなぁ…。

それか、ダンシングオールナイトを歌える、他の子がカウンターにいるときに・・・(にやり)。


じいちゃんばあちゃんのお客さんは大変なのら〜。


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