流星群

獅子座流星群。
ピークが2〜4時くらいらしい。
そんなものまともに見ちゃったら、明日仕事にならないのは分かり切っているので、今年は泣く泣く諦めることにする。ほんとは凄く見たいんだけど。
どうせ車もないので、綺麗に見える場所まで行くこともできやしないし。

流星といえば思い出すのが、田舎にいたころに見た流星群。
あれは、そう、今から10年近く昔だったと思う。
僕の田舎は本格的な田舎なので、夜ともなれば明かりなんて全然無くなる。
そして、その流星群を見たのも、ちょうど今ぐらいの時期だった。
冬が近づき、大気が澄み渡り始める時期。
いつも以上に美しい星空が、広がっていた季節。

その日、僕は家の屋根に上って、飽きることなく、空を眺めていた。
外の寒さなんて、全然苦にならなかった。
いつも見慣れていた星空が、その日はまったく違う空。
瞬きするたびに、空のあちこちで星が流れ続けている。

糸を引くように、すうっと消えていく星。
見上げた空の、全天ありとあらゆる所で、まるで作り物のように、星が流れ続けていた。
あの時の風景を、僕は一生忘れないだろうと思い、そして、今も忘れられずにいる。

どうして、人は空を見上げるんだろう。
それはきっと、決して届かない願い、思い、そして、希望。
そこにあるはずのものに、願いを託さずにはいられないから。

あのときに、星に祈ったことの結果は、今は誰も知らない。
2001年11月18日(日)

日々 / いけだ