仕事の合間に

本日は、後片づけだった。
速効で終わったのだが、相方の人が打ち合わせに行ったままなかなか戻ってこなかったので、その事務所にいるのが僕一人だったこともあり、のんびりと本を読んでいた。

その事務所があるところは、奈良と京都の境で、山に囲まれている、静かなところ。事務所が入っているビルも、研究職の人達が多いことや、空き事務所が結構あるということで、とても静か。こういうところでじっくりと本を読むっていうのは、最近なかなか無かったので、久しぶりに堪能できた。

村上春樹さんの作品のなかに、引っ越しをして寮に入るのだが、手違いで、荷物が1日遅れてしまい、何もない部屋の中で、あらかじめ備え付けてあったベッドに寝ころんで、空缶を灰皿にして煙草を吸いながら、ポケットに入っていた小説を読むシーンがある。

静けさだけがある空間の中で。
ゆっくりと流れゆく時の中で。
まるで活字が頭の中にしみ込んでいく。
そんな気がした、というシーン。

まさに、今日がその感じだった。読んでいる本のシーンが、鮮やかに、リアルに頭の中で展開され、その世界の中に入り込めた。
ああいう環境で本を読むのって、やっぱり良い。

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今日読んだ本

 「月曜日の水玉模様」 加納朋子著 集英社文庫

 評:良いお話。
   短編集だが、全体を通して一つのお話にもなっているという形。
   人が死なないミステリィ。
   日常のちょっとした謎を、鮮やかに、暖かく解決していく。
   読後、世界中に、優しくなれるような気がした。

 「あずまんが大王」 あずまきよひこ作 メディアワークス

 評:なんか、いい。
   ほのぼのしていて、平和で、それでいて、非現実的。
   巷で話題になるだけあるなぁ。
2001年11月22日(木)

日々 / いけだ