時間 |
本屋さんへ行ってきた。
ずらっと並んでいる本棚を眺めているうちに、この本棚に入っている本達をすべて読むのには、どれくらいの時間が必要なのだろう、ふと思った。 そして、今、この世界で出版されているすべての本、いや、日本語で書かれているすべての本を読むのに、どれだけの時間をかければいいのだろうと、ふと思った。
今まで、僕が読んできた本なんて、全体から見れば塵芥のようなものだ。 まだ読んだことの無い、見かけたことのもないような本の中に、すさまじく面白い本が眠っているのかもしれない、そう考えたら、ちょっとたまらない気持ちになった。
今、活字離れとか言われてるけど、実際には毎週たくさんの出版物が出ている。そして、その大部分は、読まれることなく絶版になっていく。 そんな本達の中に、ひょっとしたら、世界中の誰もが見向きもしないかもしれないけど、僕のためにだけ書かれたような、僕の望んでいることすべてが書かれているような、そんな本が眠っている可能性だって、無いわけじゃない。
仮に、残りの人生すべてを読書のために捧げたとしても、すべての本を読み尽くすのなんか到底無理だ。 そう考えると。 悲しい。 寂しい。 やるせない。
だから、せめてアンテナの感度は常に最大にしておきたいと思う。 もし、その本が目の前に現れたときに、見逃してしまうことの無いように。 きっと、その本が、僕を「呼ぶ」と思う。 その「声」を、聞きのがしてしまわないように。
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2001年11月25日(日)
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