| 【読書】唯脳論 |
唯脳論 養老孟司 ちくま学芸文庫
感想: 今更、と言う気もしないでもないですが、読んでみました。 この人は、すっごく頭が良い人なんだなぁ、ってのが感想です。 きっと、この人以前にも、同じようなことを考えて、論じようとした人はいると思います。だけど、ここまで分かりやすく、冷静かつ詳細な文章で書くことが出来る人はいないでしょう。 読んでみれば、きっと誰もが感じたことのあることを書いてあるだけだと思います。しかし、思うこととそれを表現することとは、まるっきり別個なものであり、その間には、深くて広い溝が広がっているのですね。
脳=理想、身体=現実と考えれば、まさに人の世は脳の投影によるものですね。 現実を改善するために、理想を追い求め、いつしか現実がないがしろになって、理想のみを偏重した、美しいけれど、どこか歪な世界が完成したかのように見えるけど、必ずどこかに現実の影は潜んでいて、それは理想は現実の上にしか成り立たないから、当たり前のことなんだよなぁ、という感じ。 だからといって、理想が偉いというわけでもないし、逆に現実が偉いということも無い。
会社組織なんかもそうですよね。 管理と現場は、必ず対立するものだけど、それを運営して行くには、どっちか片方だけでは絶対に立ち行かなくなる。どっちが偉いのではなくて、単純に役割の違いと、責任の所在だけの問題なんだなぁ。
やっぱり、理想の社会(人間)ってのは、相反する2つの要素を抱えながらも、お互いがお互いを尊重しあい、無くてはならないものとして、がっちりと組み合って回っているもの。 そう考えれば、Amikaさんの「ふたつのこころ」という歌は、まさに真理をズバリとついている歌なんですね。 辛くてきつい時期に、ぎりぎりのところで作られるものってのは、やっぱりそういう側面が、どこかに必ずあるものなんだなぁ。 まぁ、今回の本筋とは外れてますけどね。
しっかりとした理想の元で、確固たる現実が稼働するのなら、 そして、堅牢な現実の上で、自由に理想が広がっていけるなら、 きっと、怖いものなんて無いよね。
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2003年06月06日(金)
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