| 猶予の月 |
上巻が絶版になってて、長いこと読めなかった本書。 オークションで落札して、本日届いたので、一気に読んでしまいました。
やっぱり、神林長平って作家は天才です。 ここまで肉厚で重厚で似非科学満載で、これこそがSFだ!って本を書けるのはすごい。 言葉の持つ力というものを、ここまで赤裸々に描き出せるのは、ある意味哲学です。 そして、読んでいて詰まることもなく、純粋なエンタテインメントとして読ませる筆力。 一生付いていきますね。この作家の描き出す作品世界に。
メインとなる人物は、5人。それぞれが、禁じられながらもお互いを愛する姉弟であったり、世界を再構築してその世界に君臨しようとする悪役とそれを追う刑事だったり、姉を愛する主人公に恋している、主人公の姉の同僚だったり、主人公に惚れている女性に恋している主人公の親友だったりして、もう大変なことになってます。 そして、第二部に入ると登場人物はさらに増えるのですけど、神林長平お得意の、人物一人一人の性格付けが相変わらず巧妙なので、一人一人がとても豊かな個性を持って、縦横無尽に動き回ります。 読後も爽やかで、気持ちの良い結末だと思います。読めてよかったです。
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2004年10月10日(日)
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